「自治体経営を変える改善運動」に寄せて
「なぜ、業務改善運動が求められるの?」
もし、あなたが、このような質問をされたら、どのように答えますか?
業務改善運動の担当者であれば、一般の人よりはその知識もありますし、実際に経験もされているので、簡単に答えることができるかもしれません。
でも、その回答が、みんな同じ答えであるかというと、それは違うのではないかと思います。業務改善運動の目的や、始めるに至った経緯などが、それぞれの自治体で異なるはずだからです。
現在、業務改善運動に取り組んでいる自治体の影には、業務改善運動をやめてしまった自治体が数多くあります。私の所属するまちも、取り組む形式を変えましたが、その中の一つになります。
やめてしまうには、それぞれの自治体に理由があると思うのですが、元気に業務改善運動に取り組む自治体の姿を見ると、どこかさみしさを感じます。
そのような中、再び業務改善運動に取り組む自治体が見られるようになったのは、とても喜ばしいことです。
各々の都市で業務改善運動の目的が違うように、復活の処方箋は自治体独自で異なり、一つではないのかもしれませんね。
この本は、業務改善運動に現在、取り組んでいる方々、これから取り組もうとしている方々、そして復活させたいと思っている方々には、課題や進め方などが、とてもよく整理されている良書であると思います。
また、自治体職員が実際に執筆されていて、より身近な視点で業務改善運動の意義が描かれているのが、とても良いです。
この本を通して、今まで気づかなかった何か大事なものに、気づけるといいですね。
静岡県富士市監査委員事務局 主幹 吉野 貴雄