こうあったらいいな!という内容が満載です。
でも、「思い」だけでは意味を為しません。実行・行動につなげましょう!

 現状に違和感を持ち、企画、総務、人事などで行政経営に携わったことがある方なら「人」が全てと必ず気づくと思います。
ところが言葉遊びが得意な行政(要は破たん、倒産が事実上ないため、覚悟が足らない・・・自分を含め)にとって「行(財)政改革」という言葉は自分が行政に入る随分前から定期、不定期に計画が作られ、実行する「人」にスポットをあてることなく進められ、内容すら達成されたかの分析、検証もあいまいなまま、また新たな改革がスタートしています。

 「計画」をつくればそれで終わりといった風潮により、PDCAサイクルが十分に回ることがない行政において、言葉遊びが絶えないのも無理がありません。

 なら、どうするか!を気付かせてくれる一冊です。

 事務分掌として担当するだけの職員にとって法的縛りのない行革は、トップや上司の顔色を伺うだけで、総合計画や行革、そしてカイゼン運動の進捗管理をしてるだけで仕事をしてる気になっています。最終的視点が「自分」なんですね。

 一方で、熱意ある担当職員は、住民視点、納税者視点、企業視点など「社会的視点」の重要性と「行政の役割」を考え、最大の経営資源である“職員”にスポットを当て組織力を高める手立てを考えます。

 こんな職員がいる自治体は小さくても未来が見える幸せな自治体であるとともに、活動をフォローできるトップ、上司、仲間のいる組織風土の熟成が「民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障すること」(「地方自治法第1条目的」抜粋)を達成する組織としてスパイラルアップさせ、働く職員の「やる気」を引き出してワークライフを充実させてくれるのではないでしょうか。

 他自治体の担当者自らがペンを持って書かれた内容は評論家とは違う視点で書かれています。
組織風土改革を柱とする自分にとって本書は自分の思いの代弁とも言える内容です。

 地方創生を進める中、「自治体経営を変える改善運動」(自治体改善マネジメント研究会代表 スコラ・コンサルト株式会社 元吉由紀子 編著 「東洋経済」)が公私とも熱い全国の同志の拠り所となり、気付きを与えてくれる一冊であることをお伝えして感想とさせていただきます。