NPO法人 自治体改善マネジメント研究会

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すべてのお知らせ

新着順による自治体改善マネジメント研究会のすべてのお知らせ

2015.10.09

自治体改善リレートーク(大分市)

みなさん、こんにちは!
大分市 企画部 企画課 行政改革推進室の
中川 淳です。

大分市では、福岡市の吉崎 謙作さんから九州のトップバッターとしてご指名を受けましたので、大分市でのカイゼン運動の取組を紹介させていただきます。

ご紹介をいただいた通り、大分市では「第6回全国都市改善改革実践事例発表会~百花繚乱カイゼン合戦~」を北上市からバトンを引き継ぎ、平成24年3月に開催し、早3年半が経過しました。

大分市での取組は、平成21年度からで、「た」(楽しく)・「く」(工夫して)・「み」(みんなでカイゼン)をキャッチフレーズに、職員一人ひとりが職場の課題を見つけ、自ら積極的に課題の解決に取り組み、“市役所職員の匠=プロ”になることを目指し、チャレンジし続ける「カイゼンの匠運動」を推進しています。

全国大会を機に、一気にカイゼン運動の機運が高まるかと思ってはいましたが、一気にではなく、徐々にではありますが、カイゼン提案件数も増え続け、昨年は162件の提案数でした。全国的にみると、一人一改善をしている都市もある中で少ない数値ではありますが、大分市の中では伸びてきていると感じているところです。(H23:80件、H24:122件、H25:141件)
H27についても各課一提案以上、各担当班一提案以上の取組を目指して取り組んでいるところです。

そして、毎年2月には、庁内発表会を市長、副市長、教育長などの特別職を審査員として開催しており、優秀事例を全国大会で発表しています。庁内発表会の際には、石原先生や元吉先生の基調講演も行うなど、全職員へのカイゼンイズムの浸透も図っています。全国大会では昨年は、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれませんが「おおいたトイレンナーレ」(http://toilennale.jp/)の取組を紹介させていただきました。

また、東北OMの取組をTTPしながら、九州OMでの活動にも参加し、カイゼン運動に取り組んでいるメンバーを中心として、全国大会時の実行委員長を務めていた佐藤真人や当時から話題のジョーズ工藤こと工藤真司、大分市のカイゼン運動の発起人の新井徹などと自主研の取組を今年度に入って始めているところです。

「敷居は低く、されど志は高く」をモットーに、「朝カフェ」「夜カフェ」と題し、カフェスタイルのゆるい形での交流会も実施しており、徐々にではありますが、参加人数も増えてきています。

今後もカイゼン運動の取組を強化、浸透させながら、若手人材の育成にも取り組んでいきたいと考えておりますので、全国の皆さんの取組をTTPしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

次の九州グループのリレーは、宮崎県国富町の矢野弘倫さんにつなぎたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。

2015.10.09

自治体改善リレートーク(立川市)

みなさま、こんばんは。立川市行政管理部人事課人材育成推進係の津崎と申します。現担当になり、3年目となります。

当市では、昨年度(平成26年度)から「業務改善表彰制度(庁内では、カイゼン運動と呼ばれております)」が始まり、全庁的カイゼン運動を実施しております。
人材育成基本方針の「創意工夫を尊重する組織風土づくり」という方針に基づき、職員提案制度(H19-22)、組織活性化事業(H23-24)という全庁的カイゼン運動に取り組んできましたが、担当の異動や予算の廃止に伴い、平成25年度に見直しとなり、現行制度なっております。その際は、さいたま市さんを始め、多くの自治体の方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。

 本制度は、市民満足度に加え職員満足度の向上を目的とし、①改善事例の見える化、②改善事例の共有、③認め・褒める風土の醸成の3つを目標としています。
流れは、
全職場で改善アイデア提案シートを作成(6月)→取組方針決定(7月)→改善取組(7月〜10月末)→改善事例を報告(11月)→部内審査(11月)→職員投票・理事者書面審査(12月)→発表会・表彰(1月19日)となっております。

現行制度へ見直す際に意識した点は、「①所属長の無関心の解消」「②改善推進員(職場の取組のコーディネーター)だけではなく多くの職員が関わる」「③カイゼンに取り組むことが当たり前の組織風土をつくる(習慣化)」ことです。
①については、部単位で「業務改善推進部会」を設け、職場(課)単位のカイゼン事例を持ち寄り、部内で1次審査をする仕組みにしました。その後、全職員の職員投票(イントラネット)、理事者から構成される「業務改善推進委員会」を経て、トップ5が事例発表会を行います。その中から、最優秀事例が決定します。全国大会には出場しておりません。
②については、年度当初に、職場単位で全員がアイデアを出し、職場単位で取り組む内容を決定します。この際に、「改善アイデア提案シート(エクセル)」を使用するのですが、1行単位で気軽に提案できるように設計し、ミーティングを経て決定することで、全員の関わる担保を試みています。また、この改善アイデア提案シートも全庁共有します。
③については、カイゼンサポーター(実質、実行委員会)を設け、「なぜ、カイゼン運動が必要なのか」「どのように実施していけば良いか」を事務局と一緒に考えて実行していく形式をとっています。初年度は、公募とし11名が活動。カイゼンニュースの発行にとり啓発活動や発表会の企画・運営をしました。

昨年度は、スタートアップとしてはまずまず。小さな成功体験でした。まだまだ、制度理解が進んでいないため、粘り強くやり続けることが大切だと思っています。もちろん、制度自体の工夫をしながらです。
平成27年度は、3つの新たな取組に着手しました。

(1)カイゼンサマーセミナーの実施
先進的な民間企業や自治体の取組事例を講義形式で学び、ワールドカフェの手法を使って「カイゼン運動の必要性」について改善推進員、カイゼンサポーター、他団体の方、総勢80名で対話する場です。組織の中の関係を有機的にすることになり、結果的に、改善事例の共有につながると考えています。今年度は、中野区の酒井さんにご登壇いただきました。お世話になりました。

(2)カイゼンサポーターを3年目職員の人材育成プログラム化
公募職員に加え、3年目職員の必修プログラムとしました。今年度は、公募2名、3年目25名、計27名で実施しています。広報班、企画・発表班の2グループ制です。
公募形式のみでは、組織の継続性が担保できず、メンバーの硬直化を招く恐れがあったこと。さらに、「意識高い系がやること」という反対勢力を生む要因になり得ると考えたからです。また、昨年度のメンバーが活動を通して、モチベーション向上、個々人の能力の発掘・発揮・向上など、良い意味での意識・能力の変化が見られたこと大きいです。
一番の理由は、カイゼン運動を自分ごととして考えたことがある職員を排出し続けることで、カイゼンに取り組むことが当たり前の組織風土をつくることにつながると考えたからです。
最初は、いやいやでしたが、段々と活動が楽しくなってきたようで、職場訪問(改善の取組のサポートや、取組を聞いて褒めちぎる)、改善ツアー(民間企業や自治体訪問)を自分たちで企画・調整し実行するまでに至りました。大きなきっかけはカイゼンサマーセミナーだったと感じています。
(3)組織目標や業務基準書の整備
職場における羅針盤をきちんと整備することで、個々人の思い思いでカイゼンが乱立しないようにする。また、職場の「業務はどのようなものがあるか」「業務の目的は何か」「手順はどのようにするのか」などを記載した引継書ともなり得る、生きたマニュアルづくりの検討を始めました(検討ワーキンググループが活動)。

長くなりましたが、やればやるほど「カイゼン活動にゴールはない」と感じます。その時々に、ドラマがあり、人の成長があると思うとやりがいを感じることもできます。仲間をつくりながら、楽しんで邁進していきます。今後ともよろしくお願い致します。

立川市 津崎

2015.10.02

自治体改善リレートーク(中野区)

みなさん、こんにちは!
中野区 政策室 業務改善担当の中谷です。
3月開催の全国大会に向けて、中野区の「おもてなし運動」の取組状況をご紹介します。
当区では、顧客満足度の向上と組織の活性化を目的として、「おもてなし運動」を実施しています。全ての分野(課)や、保育園・児童館等の事業所ごとに業務改善の活動を「実践プラン」として定め、取り組んでいます。今年度は、11月~12月頃に各部ごとに中間発表会を開催し、部の代表を選出して、1月下旬に開催予定の「おもてなし運動発表会」に出場します。ここで大賞に選ばれた職場が全国大会への出場権を獲得できます。
今年度は、各職場での改善の取組を全庁的に共有し、更なる改善につなげていくため、事例集の作成を行ったほか、10月中に各職場の取組状況を「おもてなし運動推進員」が取材し、広報誌を作成して、全庁に周知します。また、運動の目的やコンセプト、行動目標などを改めて職員に周知するため、ガイドブックの改訂や動画の作成などに取り組んでいます。
全庁的に業務改善運動を推進していくためには、事務局が本気になって取り組むことが必要不可欠だと思います。今年度は、事務局所管の管理職(私!)も精力的に関与し、事務局職員も若手のエースを増員しています。推進員にも「おもてなし運動」のレジェンド・酒井さんに復帰してもらったほか、これまで「おもてなし運動」を支えてきたメンバーに公募枠で入ってもらいました。
全国大会で大賞を受賞できるような職場を輩出できるように、中野区職員一同、頑張っていきます!とは言ったものの、実践プランの一覧(中野区HPで公表中)を見ると、各職場の取組は、まだまだといったところです(涙)。そもそも運動の目的が全然正しく理解されていないのではないかと思われるような職場もあれば、毎年同じことを掲げているだけの職場も見受けられるのが実情です。事務局や推進員が本気になって、工夫して広報していくほか、改善運動を区政経営のPDCAサイクルや人事評価と有機的に連動した仕組みに変えていく必要があると考えています。中野区の「おもてなし運動」は、今年で13年目になります。運動そのものを改善して、次のステージへステップアップできるよう頑張っていきます!

2015.06.13

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿031】 美濃加茂市土木課長補佐兼総務係長 山口 登督さん

こうあったらいいな!という内容が満載です。
でも、「思い」だけでは意味を為しません。実行・行動につなげましょう!

 現状に違和感を持ち、企画、総務、人事などで行政経営に携わったことがある方なら「人」が全てと必ず気づくと思います。
ところが言葉遊びが得意な行政(要は破たん、倒産が事実上ないため、覚悟が足らない・・・自分を含め)にとって「行(財)政改革」という言葉は自分が行政に入る随分前から定期、不定期に計画が作られ、実行する「人」にスポットをあてることなく進められ、内容すら達成されたかの分析、検証もあいまいなまま、また新たな改革がスタートしています。

 「計画」をつくればそれで終わりといった風潮により、PDCAサイクルが十分に回ることがない行政において、言葉遊びが絶えないのも無理がありません。

 なら、どうするか!を気付かせてくれる一冊です。

 事務分掌として担当するだけの職員にとって法的縛りのない行革は、トップや上司の顔色を伺うだけで、総合計画や行革、そしてカイゼン運動の進捗管理をしてるだけで仕事をしてる気になっています。最終的視点が「自分」なんですね。

 一方で、熱意ある担当職員は、住民視点、納税者視点、企業視点など「社会的視点」の重要性と「行政の役割」を考え、最大の経営資源である“職員”にスポットを当て組織力を高める手立てを考えます。

 こんな職員がいる自治体は小さくても未来が見える幸せな自治体であるとともに、活動をフォローできるトップ、上司、仲間のいる組織風土の熟成が「民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障すること」(「地方自治法第1条目的」抜粋)を達成する組織としてスパイラルアップさせ、働く職員の「やる気」を引き出してワークライフを充実させてくれるのではないでしょうか。

 他自治体の担当者自らがペンを持って書かれた内容は評論家とは違う視点で書かれています。
組織風土改革を柱とする自分にとって本書は自分の思いの代弁とも言える内容です。

 地方創生を進める中、「自治体経営を変える改善運動」(自治体改善マネジメント研究会代表 スコラ・コンサルト株式会社 元吉由紀子 編著 「東洋経済」)が公私とも熱い全国の同志の拠り所となり、気付きを与えてくれる一冊であることをお伝えして感想とさせていただきます。

2015.06.11

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿030】 人吉市総務課長 溝口 尚也さん

「この本はきっと貴方のかゆいところに手が届くはず」

 自治体職員が「貴方の組織に改革改善は必要ですか?」と尋ねられたら、おそらく十中八九の方は「必要」と答えられることでしょう。
「では、貴方は何か改革改善をやってますか?」と尋ねられて、胸を張って「やってます!」と答えられる人は、おそらくほとんどおられないのではないでしょうか。

 もし、おられるとしたら、その方にはこの本は必要はありません。

 大半の方は、途端に歯切れ悪くなったり、あるいはムッとして押し黙ってしまう。
または、自分がやることではないからと「問い」をかわしてしまう・・のではないかと思います。

 ただ、そんな貴方でも、もし・・・。
これでよいのか?このままでいいのか?何とか変えたい。変わりたい。
では、何をどうすればいいの?どうあればいいの?それがわからない。
ムズムズ、モンモン、イライラする・・のであれば。
それは貴方が、「傍観者」から「当事者」になろうとされている証拠ではないかと。
素直な心の反応ではないかと思われます。

 そんな貴方への「処方箋」として、私は、この本をおススメします。

 実は、私も今、とてもかゆいのです。
環境が変わったからなのか。自分の体質が変わったからなのか。
わからないけれど、ムズムズ、モンモンと、もどかしい。
けれども、五十肩の影響か、本当にかゆいところに手が届きません。
やれやれと困りはてていた矢先。この本が手元にありました。
今では、この本を孫の手のようにそば近くに置き、たびたびページを開いては、かゆいところを掻いてやらないとおかしくなりそうです。そんな私だからこそ断言します。

 この本は、きっと貴方のかゆいところに手が届くはずです。

 なぜならば、この本には理論やお題目はありません。
実践を通じてしか得られない成功例や失敗例。そこから生まれた知見や知恵、ノウハウ。
そして、なにより。代表著者の元吉氏をはじめ執筆者のみなさん方が積み上げてこられた実践の中からしか感じとることができない生の感情や思いがたくさん詰まっています。

 それらを自分たちに当てはめていくと、今、何が課題問題なのか?今、自分たちはどの段階にいるのか?改革改善をすすめるプロセスにそって、自分たちの立ち位置がどこなのか?が、とてもわかりやすく見えてきて、そして、ストンと腑に落ちる。

 また、それをすぐにたぐりよせられるように、各章の小見出しも見やすく、わかりやすく。
さらには、ページ上方の見やすい位置に、それぞれの段落のリードコメントがついています。
だから、「あ、ここだな!」とかゆいところにすぐにたどり着く。そんな工夫もされています。
なので。

 この本は、そもそも自分のかゆいところがどこかわからないという方に、特におススメです。

「あ、ここだ・・」とヒットしたときの得も言われぬ快感。その効用は、読んでみなければわからない。
この続きは実際に手にとられ、ページを開いてみてのお楽しみということで。

2015.06.04

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿029】 戦略広報アドバイザー・経営改革プロデューサー 川部 重臣さん

「自治体経営を変える改善運動」の横浜市の事例を読んで考えさせられたこと。

横浜市の取組で中田市長の時代のゴミ減量化目標や林市長の保育所入所待機児童ゼロ目標など、敢えて高い目標を掲げたことについて。

数値目標というものは大抵5%アップなどを設定するが、その場合は「今までの方法で頑張れば達成できる」と考えてしまうが、50%や100%アップという高い目標を掲げた時には、「今までの方法では達成出来ない」と受け止めて、抜本的に「どうすれば達成出来るか」を考えることが必要になる。

外資系企業ではストレッチな数値目標設定の意味を、そのように積極的に 意味付けている。

外資系カーディーラーの社長から、瀕死の巨大量販店ダイエーと経験してきた林市長のマネジメントには、そのような意図があったのではないか。

もともと横浜市は革新市長の旗手として輝いていた五十嵐市長や飛鳥田市長や都市計画の田村明さんなど、先端的な行政経営の伝統がある。

全国の自治体の中でも横浜市の職員には、そのようなDNAが秘められているのではないか。

つねに革新するという横浜市役所職員の誇りを広報が再確認して、プライドを醸成していくという、

職員向け庁内広報が求められているのではないか。

2015.06.03

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿028】 中野区能力開発担当係長 佐藤 加奈さん

本書で紹介されている自治体の取組み事例のひとつに、東京・中野区の「おもてなし運動」があります。

 中野区では12年前に、顧客満足度向上の運動が始まり、堅苦しい言葉のままであれば、いつまでも浸透しないとの配慮もあってか、「おもてなし運動」という名前がつけられたのでした。それは運動の狼煙があがって、どれぐらい経った頃でしょうか。おもてなし推進員の初代リーダーの職員が、漫画「美味しんぼ」の中でこの言葉を発見したから命名したというエピソードを発表会で披瀝したのを何となく記憶しています。
しかしそれがある意味、禍を呼んだのかもしれません。口になじみやすい、ひらがな言葉が持つ運命か、当時たくさん立ち上がった庁内のシステムの中でも、「おもてなし運動」は最大の嫌われ者になりました。「おもてなし」は禁句であり、それゆえ、おもてなし推進委員なることをほとんどの職員は固辞する。何もわからない新任の職員をまるであて職のように任命し、委員会に送り込んだ部署もあったかもしれません。それでも、運動は途切れることなく、それこそ今も愚直に続いています。

 そんな中で、奇特なことに、おもてなし推進委員に買って出た人もわずかにいました。それは本当に稀有な存在で、上述の環境の中にあっては、「変人」と呼ばれことも必至でした。
本書の筆者である酒井直人氏は運動の黎明期からずっとこの運動に携わっていて、それゆえ筋金入りの「変人」として、庁内に深く認知されることになったのです。
とはいえ、石の上にも12年。今回、一流の出版社が全国に向けて発売する本書に、その名を刻み、知名度に拍車をかけたわけですから、酒井氏の戦術とそのたゆまない努力には本当に頭が下がる思いです。

 運動の効用は明々白々で、何よりも職員の区民への対応力は格段に良くなりました。先日、某自治体にいち市民として問合せをしたところ、非常に不快な経験をしましたが、たぶん相手が中野区職員だったら、こんなことにはならなかったと即座に思ったものです。

 「おもてなし運動」をさらに浸透させるにはどうすればいいのか、カイゼンのレベルに引き上げるにはどうするのか、課題はまだまだあります。現在、職員の人材育成を職務とする中、本書を精読し、他の自治体の取組みからもヒントを得ていきたいと思いました。

2015.05.24

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿027】 神戸市行政経営課 中道 眞さん

元吉さんの新著、「地方が元気になる 自治体経営を変える改善運動」ですが、まず表紙が良いですね。思わず手に取ってみたくなります。
もしかしたら、心地よい表紙から興味を持って読んでみようと思う職員もいるかもと思って、職場のデスクに、人の目につくように常に表紙を上にして置いています。(笑)

「公務員」という立場は、きちんとできて当たり前。もしひとたび何か問題が起こればマスコミ、議会、市民からバッシングの嵐。だから、コンプライアンスの徹底が求められ、その行動様式は、目の前にあることを言われたとおりにきっちりとこなすことになりがちです。
特に、当市の場合は、阪神淡路大震災以降の復興の取り組みの中でそれらの風当たりがより強かったということと、財政健全化するための取り組みを20年間続けてきた中で基本的に削減・縮小といった方向で行動せざるを得なかったことから、結果として個々の職員が、自律的に考え、行動するということができにくくなっているように感じます。

でも、個々の職員は、私を含めて、本来は地域のために貢献したいという「熱い想い」を秘めているはずです。
その潜在的に持っている想いを、カイゼン運動を通じて顕在化させることができれば、働く私たち職員自身にとっても、限られた人的資源の中で市民サービスを向上させるために効率的に業務を行うことが求められる組織にとっても、そして何よりもサービスを受ける市民にとっても、HAPPYなことだと思います。

この本は、読んだらカイゼンの取り組みに取り掛かりたくなるのではないでしょうか。
カイゼンという高度に知的な楽しみを、じわじわと浸透させるための仕掛けをどうすればよいか、紹介していただいた先行する他都市の事例を参考に考えたいと思います。それぞれの事例は、当事者の筆によるだけに臨場感と説得力がありました。すべてが順風ではなく、今も試行錯誤の中で取り組んでいるということに、リアリティを感じました。

他都市での取り組みを大手を振ってパクりあう(笑)。むしろどうぞ参考にしてくださいという姿勢で共有しあうことができる。これは、「公務員」であることの強みだと思います。
その強みをいかして、当市においても、試行錯誤しながら神戸らしいスタイルを作り上げていく必要があると考えています。
いつの日か、カイゼンサミットや、全国改善改革実践事例発表会に、当市からも自信をもって参加できるように、まずは種まきをしていきたいな、と思っています。

素晴らしい本を、素晴らしいタイミングで届けていただき、ありがとうございました。
この本が、自治体の幹部を含めた多くの職員の手に渡り、改善運動が、爆発的に浸透するきっかけになることを祈っております。

2015.05.22

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿026】 川崎市総務局人材育成課 湯澤 康治さん

  • 今まで、改善、改革、革新という言葉をごちゃまぜに使っていました。各々の意味がはっきりしたことによって、進めるためのポイント等が分かった気がします。
  • 複数の自治体の取組、経過等が赤裸々に記載されており、自らの自治体の取組と似ているところもあれば、そうでないところもあり今後の検討において真似すべき点、気をつける点等参考になりました。特に横浜市や福岡市は発表会や改善運動推進の方法等が首長の影響等を受けて、流れが変わった部分の記載がしっかりしてあり、通り一遍の他都市照会では聞けない貴重な内容になっているようと思いました。
  • 首長、管理職、係長の役割、そうした部分の記載もあるのも非常に実践的に感じました。個人的な感想ではありますが、これ以上の量的削減が困難になりつつある自治体の行政運営において、とても“使える本”“改善運動に迷ったら読み返すべき”本なのではと思いました。
  • もっともっと色んな感想があるのですが、まだ2回程度しか読んでません。10回くらい読んだら、もう少しまとまった感想が書けると思いますので、その際はまた連絡させていただきます。

※ 上記は、FBにメッセージをお寄せいただいたものをご本人の了承を得て掲載させていただきました。

2015.05.01

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿025】 合同会社経営合宿研究所 森田 元さん

少子高齢化が進む中にあって、地方行政の効率化とそれを支える地方自治体の 活性化は益々重要になっている。しかし、「お役所を変える」のはそう簡単ではない。

 長く公共性の高い事業を行う企業で働いてきた私は、公共サービスに携わっているという高邁な使命感が、市民感覚から遊離する遠因になっていたり、また国の方針通りやっていれば最後は国が面倒みてくれるだろうという親方日の丸的潜在意識が改革を困難にしていることを感じてきた。

 本書は、そういう難しい構造のなかで、どのように改善に取り組んでいけばよいのかを、実際に取り組んでいる事例紹介を交えつつ、たいへん実践的なノウハウが得られるように解説している良書である。

 本書を読んで、改革と改善の違いについても、改めて考えさせられた。
大胆な改革というのは、ハード的な施策が中心になるが、ハード的改革は、メンテナンスをしっかりやって行かないと本当の意味で定着しない。
そう考えてみると、改革を定着させるには、改善がしっかりやれる組織風土になっていることは、ある意味必須要件であるとも言える。

 本書は、国政、地方行政のみならず、公共性の強い事業に携わっている方々にもお勧めしたい「使える本」である。

合同会社経営合宿研究所 代表社員 森田 元
http://www.diamond.co.jp/book/9784478007297.html

2015.05.01

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿024】 株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役 野村 恭彦さん

「自分ゴトのイノベーション」

 元吉由紀子さんの編著した「自治体経営を変える改善運動」を読んだ。

 まず目を引いたのが、「改善と改革の違い」。改善はボトムアップだけど、改革はトップダウンでやらされ感が強い、という。私はイノベーションを促進することが仕事なので、どちらかと言うと「改革派」を自認していたので、痛いところを突かれた。同時に、「なるほど、確かに」と膝を打った。

 この本は元吉さんのほかに、6人の自治体職員が自らの体験を執筆をしている。そして、皆さん口を揃えて、「改善は楽しい」「改善を一過性に終わらせない」ということを語っている。その対極として、「改革はやらされ感がある」「改革は一過性で終わりやすい」という。

 読み進めるうちに、「自分は改革派ではないかも」と気づいた。この本で言うところの「改善」と「改革」は、「自分ゴトの変化」と「他人ゴトの変化」という分け方なのだと理解したからだ。つまり、「改善」or「イノベーション」という対比ではなく、「自分ゴトのイノベーション」or「他人ゴトのイノベーション」の対比なのである。そう思って見直してみると、元吉さんたちの書いている「改善運動」は、「想いを持った人が主体的にアクションを起こす」という意味で、まさにフューチャーセッションそのものであった。

 日本は現場からの改善が強みだが、欧米のようなトップダウンの変革が弱い、とよく言われる。しかし、それは「理想のビジョンを示して他人を動かす」ことよりも、「いま・ここでを大切にして日々少しでもより良く生きる」ことを私たちが選んでいるということなのだ。それが、元吉さんたちが誇りをもって「改善運動」を謳っていることの意味である。

 これからの日本に、「改革の苦手感」など不要である。「自分ゴトの変化を得意とする希有な国民」という自負をもち、「自分ゴトのイノベーション」を次々と起こしていけばよい。そんなエールを受け取れる一冊である。

 株式会社フューチャーセッションズ 代表取締役 野村 恭彦
https://www.facebook.com/takahiko.nomura?fref=nf&pnref=story

2015.04.29

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿022】 諫早市 村川 美詠さん

元吉様、「改善本」拝読させていただきました。

 それぞれにうまくいっていること、そうでもないことが素直に書かれていて、共感ポイントがたくさんありました。

 特に、最近おつきあいをさせていただいている(笑)福岡市さんに対しては、このような土壌があってのあの職員さん方なのだと、改めて尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 個人的には、過去に職員提案制度で担当者としても提案者としても心が折れてしまった経験があり、正直やる気を失っていましたが、昨年の福岡の「カイゼンサミット」に参加させてもらって、
「なにかやれそうかも!」という気持ちになりました。1年前に、福岡市の「明日晴れるかな」をTTPして「おこしの会」というオフサイトミーティングを立ち上げましたが、その活動の中で、少しずつですが、職員の気持ちを“おこす”こともできてきているので、今後は、この本を参考にさせていただきながら、まずは「地中期」から「萌芽期」へ移行できるようがんばってみたいと思います。

 元吉様をはじめ、このような本を出版されるまでに、自分の仕事以外で関わっておられるK-NETの皆様方にも感謝です。

2015.04.26

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿019】 福岡市 今村 寛さん

元吉さんから「地方が元気になる自治体経営を変える改善運動」のレビューを書くように言われてましたが、なかなか時間が取れず、今のタイミングになってしまいました(^_^メ)

 みなさんのレビューと重なるので、目新しいことは特に書きませんが、読後の感想としては、全国で改善改革を志す自治体職員がこんなにもタテヨコナナメにつながって、ネットワークが張り巡らされていること自体を大変心強く感じており、こういう本が出版されることも、この「自治会改善の輪」がグループ化され、活発に情報交換、情報共有が行われることも、自分自身の改善改革の力になるものだと改めて感じました。

 私自身、福岡市役所では職務外の副業として「明日晴れるかな」というオフサイトミーティングを3年前から継続的に開催しており、本業の財政調整課長としては「財政出前講座」で各職場を同じく3年前から回らせていただいています。
この取り組みはいずれも、明確な方向性を持たずに勢いで始めたもので、こんなに続くとも、こんなところにたどり着くとも思っていなかったものですが、市役所内外のたくさんの仲間たちに支えられ、温かく見守っていただき、励まされ、参加していただいて、今日までたどり着いています。

この場でつながりを持たせていただくみなさんからまた力をいただいて、また、私自身もみなさんの力になれるよう、この場での情報発信、交換、共有を進めさせていただければと思います。

みなさん、よろしくお願いいたします<m(__)m>

NPO法人 自治体改善マネジメント研究会

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