NPO法人 自治体改善マネジメント研究会

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新着順による自治体改善マネジメント研究会のすべてのお知らせ

2016.02.17

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿035】 静岡県富士市監査委員事務局主幹 吉野貴雄さん

「自治体経営を変える改善運動」に寄せて

「なぜ、業務改善運動が求められるの?」
もし、あなたが、このような質問をされたら、どのように答えますか?

業務改善運動の担当者であれば、一般の人よりはその知識もありますし、実際に経験もされているので、簡単に答えることができるかもしれません。

でも、その回答が、みんな同じ答えであるかというと、それは違うのではないかと思います。業務改善運動の目的や、始めるに至った経緯などが、それぞれの自治体で異なるはずだからです。

現在、業務改善運動に取り組んでいる自治体の影には、業務改善運動をやめてしまった自治体が数多くあります。私の所属するまちも、取り組む形式を変えましたが、その中の一つになります。

やめてしまうには、それぞれの自治体に理由があると思うのですが、元気に業務改善運動に取り組む自治体の姿を見ると、どこかさみしさを感じます。

そのような中、再び業務改善運動に取り組む自治体が見られるようになったのは、とても喜ばしいことです。
各々の都市で業務改善運動の目的が違うように、復活の処方箋は自治体独自で異なり、一つではないのかもしれませんね。

この本は、業務改善運動に現在、取り組んでいる方々、これから取り組もうとしている方々、そして復活させたいと思っている方々には、課題や進め方などが、とてもよく整理されている良書であると思います。
また、自治体職員が実際に執筆されていて、より身近な視点で業務改善運動の意義が描かれているのが、とても良いです。

この本を通して、今まで気づかなかった何か大事なものに、気づけるといいですね。

静岡県富士市監査委員事務局 主幹 吉野 貴雄

2015.11.15

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿034】 金井壽宏さん(神戸大学大学院経営学研究科教授・現代経営学研究所(RIAM)所長)

マネジメントという言葉は、「管理」とか「経営管理」と訳されることが多い。後者だと、組織体全体の理念や戦略という方向づけにかかわる経営と連動したマネジメントを連想できなくもないが、「管理」という言葉だけを聞くと、ネガティブな響きもある。管理と聞いて、わくわくするひとはいない(経営とか、よき戦略とか、ビ
ジョンとかを、経営者やリーダーから聞くと、わくわくすることがあるのと対照的だ)。

 マネジメントの標準的定義は、「<こと>を成し遂げてもらうこと(getting things done through others)」という無味乾燥なもので、この言葉から夢を感じることはむつかしい。みなに成し遂げもらう<こと>が、ビジョンだったり、戦略だったり、リーダーの熱き想いというように表現されれば、ぐっとリーダーシップに近づくが、管理のイメージは、粛々ときちんとものごとが成し遂げられるという側に傾斜している。

「リーダーシップ」と「マネジメント」の対比は、学問的にも実践的にも、二分法によくある誤解に満ち溢れているが、実際に実践しているひとが、この両者をどう感じて、どのように実践し、どのような状態をそれぞれに対して理想としているか、議論するのがよいだろう。多少ギスギスしても、破天荒であっても、変革を起こすリ
ーダーシップ、粛々ときちんとものごとが進捗されているマネジメント—どちらも大事で、一方を<いいもん>、他方を<わるもん>にする筋合いのものではない。

その機微を、実際の経験や観察に基づいて理解してもらうために、これまでに出会ったひとのなかからで、「すごいリーダー」に該当すると思うひとと、「できるマネジャー」に当てはまると思うひとを、ひとりずつ実際に接したことのある人物から選んでもらう。
それから、それぞれの人物がフォロワーたちと接している場面を、できる限り、具体的に描いてもらう。そこで出てきたキーワードを、もし議論の場にホワイトボードなり黒板なりがあれば、そこに、対比しながら記していくと、わたしたちが、日常の実践のなかで、どういう具体的な行動、発言、発想法にリーダーシップという言葉を
連想しているか、対照的な姿がある程度、具体的に把握できる。

行政学では、法律による行政という考え方を学ぶが、こちらは、きちんとしていないと困るという部分、どちらかというと行政組織の管理(マネジメント)の側面を照射する。しかし、変革が求められるのは、産業社会の企業のような組織ばかりではない。『地方を元気にする、自治体経営を変える改善運動』というこの書籍のタイトルにあるように、実際に自治体でそのような運動に従事されてきた異なる6自治体の職員の経験を、自治体改善マネジメント研究会代表の元吉さんがまとめられたこの著作では、行政組織に求められている変革とリーダーシップのあり方が述べられている。自治体に限らず、企業や他の組織体における組織変革や組織開発、経営改善について、その理解を深めたい実践家と研究者の双方にお読みいただきたい。
金井壽宏

2015.10.22

自治体改善リレートーク(所沢市)

皆さん、こんにちは。所沢市役所の林と申します。
現在は財政課に所属しておりますが、業務改善関係の仕事に長く携わっていたよしみで、本市の改善活動について紹介させていただきます。

所沢市が改善活動で目指しているのは、
「明るく楽しく元気よく」
というシンプルなものです。
風土改善とか、
市民目線の改革とか、
経費の最小化とか、
そういった内容の方が、もっともらしいですし、カッチョいいとも思うのですが、あまり生真面目にやるより、とにかく前向きに取り組むことを目標にしています。

このフレーズを聞いて、
「明るく、楽しく、そして激しく」
という全日本プロレスのモットーを思い出された方もおられるかも知れません。
馬場さんの路線を三沢さんが受け継いでいたころの。
所沢市の目標を掲げる際に、全日本プロレスのモットーを参考にしたのかどうか、そこらあたりはご想像にお任せします。
ちなみに、三沢対小橋の名勝負は、例えばこちら

三沢 vs 小橋 1999.6.11 三冠戦
youtube.com

さて、「明るく楽しく元気よく」は、放っておいてそうなるものではありません。
役所の仕事にはルーティンも多いですし、コツコツ積み上げていく仕事もたくさんあります。
苦情を受ける機会も少なくありませんし、業務量が増えているなかでは、余裕をもって仕事をすることが難しくなっています。
財政的な制約もあり、市民の方々の要望に応えられないこともしばしばです。

そうしたなかで、改善カイゼンとかけ声だけかけても、
「いい気なものだ」
と思われてしまいかねません。
そこで、できる限り無理なく、やれるところからやっていけるような取組にするように努めました。
役所の仕事は、「各部署から一律に」となりがちですが、そうではなく最初は濃淡が出てしまっても仕方がないと割り切ったのです。
取組が楽しそうに盛り上がっていれば、参加してくれる部署も増えていくのではないかと願いました。
そんな思いで、活動内容もそれぞれに任せ、発表会への参加も自主的な手上げ方式としてきたのです。

改善活動の主役は、現場で働いている一人一人です。
行革部門に言われて取組み、活動の結果が行革部門の手柄になってしまうようでは、意欲は高まりません。
当たり前のことですが、行革部門の自己満足にならないように注意しました。

あまり語り過ぎると、
「明るく楽しく元気よく」
から離れてしまう気がしますので、この辺で失礼いたします。
引き継ぎのご指名は、中野区の酒井さんにお願いします。

2015.10.20

自治体改善リレートーク(川崎市)

みなさん。こんばんは川崎市の阿部です。
中野区の酒井さんより指名がありましたので、投稿させていただきます。
川崎市では、チャレンジ☆かわさき選手権(通称:チャレ☆かわ)という業務改善発表会を平成21年度から行っています。
只今、来年2月1日(予定)の7回目の開催に向けて絶賛準備中です。
この取組は元々、川崎市の職員提案制度を活性化するために始まりましたが、有志の若手・中堅職員(チャレンジ☆サポーター、通称:チャレ☆サポ)を中心に役所の既成概念に囚われず、自由な発想で企画・運営を行っており、私もこの有志職員の1人として第3~第6回までの企画・運営に携わらせていただきました。

チャレ☆かわで発表される業務改善事例は、各局・区長の推薦により事例を選定し、審査員と会場の票で当日に最優秀賞(市長賞)を決めて、その事例が全国大会で発表されます。この推薦のなかには、局内の政策提言発表会などを経て登録するチームもあります。
また、当日は特別企画として、局区長などの応援メッセージや庁内の研究成果報告とともに、他自治体の先進的な改善の取組を紹介していただいてきました。過去には、さいたま市の柳田さん、中野区の酒井さん、所沢市の林さんに御登壇いただき、来場した職員に笑いを提供してもらいながら、良い刺激を与えていただいております。

昨年度からは、発表会の企画・運営の他に、市長インタビュー、自分の身近な改善探し、近隣自治体や民間企業に訪問・交流(昨年度はさいたま市・㈱セブンイレブン-ジャパン・㈱オリエンタルランド)を通じて、その気づきをもとに広報紙の作成なども行っています。

完全手上げ制のため、年度によっては有志職員が数名という年もありましたが、OB・OGや同期職員などの協力を得ながら試行錯誤しながらチャレ☆かわをやり切った後のメンバーの顔立ちが出会った当初と変わっていることに毎年驚かされ嬉しい気持ちになります。
その唯一無二の経験が私にとって仕事に取り組む上での重要なインセンティブにもなっています。

4年間の改善活動を通じてでしか出会わなかったであろう庁内外の熱い人財との化学反応や未知の課題を身近に感じることができ、「自発的な改善体質は1日にして成らず」であると実感しています。
私が思う自治体の改善運動の魅力とは、普段からやりづらいな…と感じていることを自分発信で試行錯誤する経験を積み重ねた結果、「誰かの得となって、自分の徳として戻ってくる」ことに最大級の喜びを得ることであり、そこに中毒性があるのだと確信しています!

長くなりましたが、今後ともチャレ☆かわ共々、川崎市もよろしくお願いします。
また、自治体改善の輪も盛り上げつつ、全国大会でお会いしましょう!
それでは、所沢市さんよろしくお願いします。

2015.10.14

自治体改善リレートーク(さいたま市)

こんにちわ。さいたま市 桜区役所 区民課の野島です。
本市の業務改善の事務局ではありませんが、私の方から本市のカイゼンの取り組みについてご紹介します。

本市では、改善・改革が日常的に実践される組織風土の醸成を目指し、平成21年度から「一職員一改善提案制度」というのを導入し、全職員が一丸になって取組みをするようにしています。具体的な内容としましては、「月イチ改善」や一職員一改善を実施する「業務改善強化月間」にて実践した改善事例を報告するようにしています。
こうした日常業務の中で、職員が知恵と工夫で改善・研究した実践事例について、アイデアやプロセスを共有するとともに、職員のチャレンジする気持ちと改善意欲の向上を図るため、12月に「カイゼンさいたマッチ」という優秀改善事例の発表会を開催しています。

この「カイゼンさいたマッチ」の企画・運営は、「カイゼンサポーター」という庁内の様々な課から集まった若手職員が中心となって行っています。本市では過去に5回の「カイゼンさいたマッチ」、そして平成25年3月に行われた全国大会「カイゼンまっちin Saitama」にて、のべ113名の職員がサポーターとして活動をしてきました。ちなみに私もサポーターで活動した一人になります。
サポーターの主な活動内容は、ステージ運営全般(企画・進行)、プログラムのチラシや作成、Facebookでの周知、動画配信、会場内の企画・運営、発表者へのサポート、懇親会の企画などで、これらの中には実験的な取り組みも色々と行われてきました。また、そうした中で、サポーターから生まれた標語『We Will Kaizen!』は、当市で行われた全国大会の際に石原俊彦審査委員長から、カイゼンを動詞として使っている素晴らしい標語だと賛辞をいただき、いまでも本市での改善活動の標語になっています。
こうした担当業務の枠を超えた若手職員が、サポーターとして発表会や全国大会の企画・運営を行うことによって、以下のような成果が生まれました。
1 組織の壁を越えたネットワーク
2 アイデアを形にするプロセス共有
3 チームワークの強化(仲間とならできるという意識)
4 他自治体とのネットワーク形成
5 自治体や企業の勉強会等に参加
6 時間を有意義に活用し職務に活かす習慣
7 主体的に行動できる職員へ成長

これらの成果が示すとおり、サポーターを経験した職員は、カイゼンに関する取り組みだけでなく、日常の業務やそれ以外の活動にも活躍の幅が広がっています。結果としてサポーターの活動が、人材育成にもなり、最高のスキルアップのツールとなっているのです。

先週末(10/9)、「第6回カイゼンさいたマッチ」(12月22日開催)のサポーター会議がキックオフされ、20名のサポーターが集まりました。私も3年ぶりにサポーターとして参加することになったのですが、私以外の職員は初めての参加になります。事務局側もサポーターに参加する職員を集めるのに苦慮しており、その悩みは当市も同様のようです。
今回参加するサポーターは、初めてということで不安がいっぱいですが、業務以外の場でスキルアップできるチャンスを得たことになるので、最後にサポーターをやって良かった、各々が成長できたと思えるよう、皆で一緒に楽しく頑張っていきたいと思います。

「カイゼンさいたマッチ」で発表する優秀改善事例は、審査中のため、まだ決まっていませんが、昨年の「さくらサポートシステム(SSS)」に引き続き、今年もさいたま市から全国大会で衝撃(笑劇?)を与える改善事例が誕生するのでしょうか?全国大会でのさいたま市の発表をお楽しみください。

最後に過去にサポーターが運営したFacebookページをご案内します。
第3回大会、全国大会
https://www.facebook.com/#!/kaizen.saitama?fref=ts
第4回、第5回大会
https://www.facebook.com/#!/カイゼンさいたマッチ-472899759485381/

2015.10.10

自治体改善リレートーク(宮崎県)

こんにちは。宮崎県国富町の矢野です。大分市の中川さんからご指名ですので、宮崎県内の市町村が集まって行われている宮崎県市町村改善改革実践事例発表会についてご紹介します。

宮崎県では、平成24年度に市町村職員の自主研究というカタチで第1回宮崎県市町村改善改革実践事例発表会(みやざき犬大会)が開催され、最優秀賞の都城市と審査員特別賞の川南町(町です!)が、さいたま市の柳田さんはじめたくさんの方のご尽力により、さいたま大会に出場させていただきました。
その後、公益財団法人宮崎県市町村振興協会(
宮崎県市町村職員研修センター)が、この県大会を事業として採用していただくことになり、今年度で第4回大会を迎えます。もちろんすべて石原先生に審査委員長をお勤めいただいております!

全国を見回してみても、県内で予選を行って全国大会に出場している(私はこれを「甲子園方式」と勝手に名付けておりますが)自治体はありません!

人口2万人弱、職員数145名の国富町のような町村にとって、いきなり全国大会というのはやはり敷居が高く、道も開けないのですが、県大会があることでそれが可能になり、また、県内のネットワーク構築にも一役買っているのではないかと考えています。

これまで毎回、宮崎市長をはじめ首長さんたちに審査員としてお越しいただいており、かなりの高評価もいただいているのですが、まだまだ県内の自治体内に改善運動が浸透しているとは言い難い状況です。まずは県大会に聴講者としてご参加いただき、業務改善運動の素晴らしさを知っていただくとともに、やはり「全国」のすごさを肌で感じる機会を、もっとたくさんの方に持っていただきたいと思っています!

2015.10.09

自治体改善リレートーク(大分市)

みなさん、こんにちは!
大分市 企画部 企画課 行政改革推進室の
中川 淳です。

大分市では、福岡市の吉崎 謙作さんから九州のトップバッターとしてご指名を受けましたので、大分市でのカイゼン運動の取組を紹介させていただきます。

ご紹介をいただいた通り、大分市では「第6回全国都市改善改革実践事例発表会~百花繚乱カイゼン合戦~」を北上市からバトンを引き継ぎ、平成24年3月に開催し、早3年半が経過しました。

大分市での取組は、平成21年度からで、「た」(楽しく)・「く」(工夫して)・「み」(みんなでカイゼン)をキャッチフレーズに、職員一人ひとりが職場の課題を見つけ、自ら積極的に課題の解決に取り組み、“市役所職員の匠=プロ”になることを目指し、チャレンジし続ける「カイゼンの匠運動」を推進しています。

全国大会を機に、一気にカイゼン運動の機運が高まるかと思ってはいましたが、一気にではなく、徐々にではありますが、カイゼン提案件数も増え続け、昨年は162件の提案数でした。全国的にみると、一人一改善をしている都市もある中で少ない数値ではありますが、大分市の中では伸びてきていると感じているところです。(H23:80件、H24:122件、H25:141件)
H27についても各課一提案以上、各担当班一提案以上の取組を目指して取り組んでいるところです。

そして、毎年2月には、庁内発表会を市長、副市長、教育長などの特別職を審査員として開催しており、優秀事例を全国大会で発表しています。庁内発表会の際には、石原先生や元吉先生の基調講演も行うなど、全職員へのカイゼンイズムの浸透も図っています。全国大会では昨年は、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれませんが「おおいたトイレンナーレ」(http://toilennale.jp/)の取組を紹介させていただきました。

また、東北OMの取組をTTPしながら、九州OMでの活動にも参加し、カイゼン運動に取り組んでいるメンバーを中心として、全国大会時の実行委員長を務めていた佐藤真人や当時から話題のジョーズ工藤こと工藤真司、大分市のカイゼン運動の発起人の新井徹などと自主研の取組を今年度に入って始めているところです。

「敷居は低く、されど志は高く」をモットーに、「朝カフェ」「夜カフェ」と題し、カフェスタイルのゆるい形での交流会も実施しており、徐々にではありますが、参加人数も増えてきています。

今後もカイゼン運動の取組を強化、浸透させながら、若手人材の育成にも取り組んでいきたいと考えておりますので、全国の皆さんの取組をTTPしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

次の九州グループのリレーは、宮崎県国富町の矢野弘倫さんにつなぎたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。

2015.10.09

自治体改善リレートーク(立川市)

みなさま、こんばんは。立川市行政管理部人事課人材育成推進係の津崎と申します。現担当になり、3年目となります。

当市では、昨年度(平成26年度)から「業務改善表彰制度(庁内では、カイゼン運動と呼ばれております)」が始まり、全庁的カイゼン運動を実施しております。
人材育成基本方針の「創意工夫を尊重する組織風土づくり」という方針に基づき、職員提案制度(H19-22)、組織活性化事業(H23-24)という全庁的カイゼン運動に取り組んできましたが、担当の異動や予算の廃止に伴い、平成25年度に見直しとなり、現行制度なっております。その際は、さいたま市さんを始め、多くの自治体の方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。

 本制度は、市民満足度に加え職員満足度の向上を目的とし、①改善事例の見える化、②改善事例の共有、③認め・褒める風土の醸成の3つを目標としています。
流れは、
全職場で改善アイデア提案シートを作成(6月)→取組方針決定(7月)→改善取組(7月〜10月末)→改善事例を報告(11月)→部内審査(11月)→職員投票・理事者書面審査(12月)→発表会・表彰(1月19日)となっております。

現行制度へ見直す際に意識した点は、「①所属長の無関心の解消」「②改善推進員(職場の取組のコーディネーター)だけではなく多くの職員が関わる」「③カイゼンに取り組むことが当たり前の組織風土をつくる(習慣化)」ことです。
①については、部単位で「業務改善推進部会」を設け、職場(課)単位のカイゼン事例を持ち寄り、部内で1次審査をする仕組みにしました。その後、全職員の職員投票(イントラネット)、理事者から構成される「業務改善推進委員会」を経て、トップ5が事例発表会を行います。その中から、最優秀事例が決定します。全国大会には出場しておりません。
②については、年度当初に、職場単位で全員がアイデアを出し、職場単位で取り組む内容を決定します。この際に、「改善アイデア提案シート(エクセル)」を使用するのですが、1行単位で気軽に提案できるように設計し、ミーティングを経て決定することで、全員の関わる担保を試みています。また、この改善アイデア提案シートも全庁共有します。
③については、カイゼンサポーター(実質、実行委員会)を設け、「なぜ、カイゼン運動が必要なのか」「どのように実施していけば良いか」を事務局と一緒に考えて実行していく形式をとっています。初年度は、公募とし11名が活動。カイゼンニュースの発行にとり啓発活動や発表会の企画・運営をしました。

昨年度は、スタートアップとしてはまずまず。小さな成功体験でした。まだまだ、制度理解が進んでいないため、粘り強くやり続けることが大切だと思っています。もちろん、制度自体の工夫をしながらです。
平成27年度は、3つの新たな取組に着手しました。

(1)カイゼンサマーセミナーの実施
先進的な民間企業や自治体の取組事例を講義形式で学び、ワールドカフェの手法を使って「カイゼン運動の必要性」について改善推進員、カイゼンサポーター、他団体の方、総勢80名で対話する場です。組織の中の関係を有機的にすることになり、結果的に、改善事例の共有につながると考えています。今年度は、中野区の酒井さんにご登壇いただきました。お世話になりました。

(2)カイゼンサポーターを3年目職員の人材育成プログラム化
公募職員に加え、3年目職員の必修プログラムとしました。今年度は、公募2名、3年目25名、計27名で実施しています。広報班、企画・発表班の2グループ制です。
公募形式のみでは、組織の継続性が担保できず、メンバーの硬直化を招く恐れがあったこと。さらに、「意識高い系がやること」という反対勢力を生む要因になり得ると考えたからです。また、昨年度のメンバーが活動を通して、モチベーション向上、個々人の能力の発掘・発揮・向上など、良い意味での意識・能力の変化が見られたこと大きいです。
一番の理由は、カイゼン運動を自分ごととして考えたことがある職員を排出し続けることで、カイゼンに取り組むことが当たり前の組織風土をつくることにつながると考えたからです。
最初は、いやいやでしたが、段々と活動が楽しくなってきたようで、職場訪問(改善の取組のサポートや、取組を聞いて褒めちぎる)、改善ツアー(民間企業や自治体訪問)を自分たちで企画・調整し実行するまでに至りました。大きなきっかけはカイゼンサマーセミナーだったと感じています。
(3)組織目標や業務基準書の整備
職場における羅針盤をきちんと整備することで、個々人の思い思いでカイゼンが乱立しないようにする。また、職場の「業務はどのようなものがあるか」「業務の目的は何か」「手順はどのようにするのか」などを記載した引継書ともなり得る、生きたマニュアルづくりの検討を始めました(検討ワーキンググループが活動)。

長くなりましたが、やればやるほど「カイゼン活動にゴールはない」と感じます。その時々に、ドラマがあり、人の成長があると思うとやりがいを感じることもできます。仲間をつくりながら、楽しんで邁進していきます。今後ともよろしくお願い致します。

立川市 津崎

2015.10.02

自治体改善リレートーク(中野区)

みなさん、こんにちは!
中野区 政策室 業務改善担当の中谷です。
3月開催の全国大会に向けて、中野区の「おもてなし運動」の取組状況をご紹介します。
当区では、顧客満足度の向上と組織の活性化を目的として、「おもてなし運動」を実施しています。全ての分野(課)や、保育園・児童館等の事業所ごとに業務改善の活動を「実践プラン」として定め、取り組んでいます。今年度は、11月~12月頃に各部ごとに中間発表会を開催し、部の代表を選出して、1月下旬に開催予定の「おもてなし運動発表会」に出場します。ここで大賞に選ばれた職場が全国大会への出場権を獲得できます。
今年度は、各職場での改善の取組を全庁的に共有し、更なる改善につなげていくため、事例集の作成を行ったほか、10月中に各職場の取組状況を「おもてなし運動推進員」が取材し、広報誌を作成して、全庁に周知します。また、運動の目的やコンセプト、行動目標などを改めて職員に周知するため、ガイドブックの改訂や動画の作成などに取り組んでいます。
全庁的に業務改善運動を推進していくためには、事務局が本気になって取り組むことが必要不可欠だと思います。今年度は、事務局所管の管理職(私!)も精力的に関与し、事務局職員も若手のエースを増員しています。推進員にも「おもてなし運動」のレジェンド・酒井さんに復帰してもらったほか、これまで「おもてなし運動」を支えてきたメンバーに公募枠で入ってもらいました。
全国大会で大賞を受賞できるような職場を輩出できるように、中野区職員一同、頑張っていきます!とは言ったものの、実践プランの一覧(中野区HPで公表中)を見ると、各職場の取組は、まだまだといったところです(涙)。そもそも運動の目的が全然正しく理解されていないのではないかと思われるような職場もあれば、毎年同じことを掲げているだけの職場も見受けられるのが実情です。事務局や推進員が本気になって、工夫して広報していくほか、改善運動を区政経営のPDCAサイクルや人事評価と有機的に連動した仕組みに変えていく必要があると考えています。中野区の「おもてなし運動」は、今年で13年目になります。運動そのものを改善して、次のステージへステップアップできるよう頑張っていきます!

2015.06.13

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿031】 美濃加茂市土木課長補佐兼総務係長 山口 登督さん

こうあったらいいな!という内容が満載です。
でも、「思い」だけでは意味を為しません。実行・行動につなげましょう!

 現状に違和感を持ち、企画、総務、人事などで行政経営に携わったことがある方なら「人」が全てと必ず気づくと思います。
ところが言葉遊びが得意な行政(要は破たん、倒産が事実上ないため、覚悟が足らない・・・自分を含め)にとって「行(財)政改革」という言葉は自分が行政に入る随分前から定期、不定期に計画が作られ、実行する「人」にスポットをあてることなく進められ、内容すら達成されたかの分析、検証もあいまいなまま、また新たな改革がスタートしています。

 「計画」をつくればそれで終わりといった風潮により、PDCAサイクルが十分に回ることがない行政において、言葉遊びが絶えないのも無理がありません。

 なら、どうするか!を気付かせてくれる一冊です。

 事務分掌として担当するだけの職員にとって法的縛りのない行革は、トップや上司の顔色を伺うだけで、総合計画や行革、そしてカイゼン運動の進捗管理をしてるだけで仕事をしてる気になっています。最終的視点が「自分」なんですね。

 一方で、熱意ある担当職員は、住民視点、納税者視点、企業視点など「社会的視点」の重要性と「行政の役割」を考え、最大の経営資源である“職員”にスポットを当て組織力を高める手立てを考えます。

 こんな職員がいる自治体は小さくても未来が見える幸せな自治体であるとともに、活動をフォローできるトップ、上司、仲間のいる組織風土の熟成が「民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障すること」(「地方自治法第1条目的」抜粋)を達成する組織としてスパイラルアップさせ、働く職員の「やる気」を引き出してワークライフを充実させてくれるのではないでしょうか。

 他自治体の担当者自らがペンを持って書かれた内容は評論家とは違う視点で書かれています。
組織風土改革を柱とする自分にとって本書は自分の思いの代弁とも言える内容です。

 地方創生を進める中、「自治体経営を変える改善運動」(自治体改善マネジメント研究会代表 スコラ・コンサルト株式会社 元吉由紀子 編著 「東洋経済」)が公私とも熱い全国の同志の拠り所となり、気付きを与えてくれる一冊であることをお伝えして感想とさせていただきます。

2015.06.11

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿030】 人吉市総務課長 溝口 尚也さん

「この本はきっと貴方のかゆいところに手が届くはず」

 自治体職員が「貴方の組織に改革改善は必要ですか?」と尋ねられたら、おそらく十中八九の方は「必要」と答えられることでしょう。
「では、貴方は何か改革改善をやってますか?」と尋ねられて、胸を張って「やってます!」と答えられる人は、おそらくほとんどおられないのではないでしょうか。

 もし、おられるとしたら、その方にはこの本は必要はありません。

 大半の方は、途端に歯切れ悪くなったり、あるいはムッとして押し黙ってしまう。
または、自分がやることではないからと「問い」をかわしてしまう・・のではないかと思います。

 ただ、そんな貴方でも、もし・・・。
これでよいのか?このままでいいのか?何とか変えたい。変わりたい。
では、何をどうすればいいの?どうあればいいの?それがわからない。
ムズムズ、モンモン、イライラする・・のであれば。
それは貴方が、「傍観者」から「当事者」になろうとされている証拠ではないかと。
素直な心の反応ではないかと思われます。

 そんな貴方への「処方箋」として、私は、この本をおススメします。

 実は、私も今、とてもかゆいのです。
環境が変わったからなのか。自分の体質が変わったからなのか。
わからないけれど、ムズムズ、モンモンと、もどかしい。
けれども、五十肩の影響か、本当にかゆいところに手が届きません。
やれやれと困りはてていた矢先。この本が手元にありました。
今では、この本を孫の手のようにそば近くに置き、たびたびページを開いては、かゆいところを掻いてやらないとおかしくなりそうです。そんな私だからこそ断言します。

 この本は、きっと貴方のかゆいところに手が届くはずです。

 なぜならば、この本には理論やお題目はありません。
実践を通じてしか得られない成功例や失敗例。そこから生まれた知見や知恵、ノウハウ。
そして、なにより。代表著者の元吉氏をはじめ執筆者のみなさん方が積み上げてこられた実践の中からしか感じとることができない生の感情や思いがたくさん詰まっています。

 それらを自分たちに当てはめていくと、今、何が課題問題なのか?今、自分たちはどの段階にいるのか?改革改善をすすめるプロセスにそって、自分たちの立ち位置がどこなのか?が、とてもわかりやすく見えてきて、そして、ストンと腑に落ちる。

 また、それをすぐにたぐりよせられるように、各章の小見出しも見やすく、わかりやすく。
さらには、ページ上方の見やすい位置に、それぞれの段落のリードコメントがついています。
だから、「あ、ここだな!」とかゆいところにすぐにたどり着く。そんな工夫もされています。
なので。

 この本は、そもそも自分のかゆいところがどこかわからないという方に、特におススメです。

「あ、ここだ・・」とヒットしたときの得も言われぬ快感。その効用は、読んでみなければわからない。
この続きは実際に手にとられ、ページを開いてみてのお楽しみということで。

2015.06.04

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿029】 戦略広報アドバイザー・経営改革プロデューサー 川部 重臣さん

「自治体経営を変える改善運動」の横浜市の事例を読んで考えさせられたこと。

横浜市の取組で中田市長の時代のゴミ減量化目標や林市長の保育所入所待機児童ゼロ目標など、敢えて高い目標を掲げたことについて。

数値目標というものは大抵5%アップなどを設定するが、その場合は「今までの方法で頑張れば達成できる」と考えてしまうが、50%や100%アップという高い目標を掲げた時には、「今までの方法では達成出来ない」と受け止めて、抜本的に「どうすれば達成出来るか」を考えることが必要になる。

外資系企業ではストレッチな数値目標設定の意味を、そのように積極的に 意味付けている。

外資系カーディーラーの社長から、瀕死の巨大量販店ダイエーと経験してきた林市長のマネジメントには、そのような意図があったのではないか。

もともと横浜市は革新市長の旗手として輝いていた五十嵐市長や飛鳥田市長や都市計画の田村明さんなど、先端的な行政経営の伝統がある。

全国の自治体の中でも横浜市の職員には、そのようなDNAが秘められているのではないか。

つねに革新するという横浜市役所職員の誇りを広報が再確認して、プライドを醸成していくという、

職員向け庁内広報が求められているのではないか。

2015.06.03

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿028】 中野区能力開発担当係長 佐藤 加奈さん

本書で紹介されている自治体の取組み事例のひとつに、東京・中野区の「おもてなし運動」があります。

 中野区では12年前に、顧客満足度向上の運動が始まり、堅苦しい言葉のままであれば、いつまでも浸透しないとの配慮もあってか、「おもてなし運動」という名前がつけられたのでした。それは運動の狼煙があがって、どれぐらい経った頃でしょうか。おもてなし推進員の初代リーダーの職員が、漫画「美味しんぼ」の中でこの言葉を発見したから命名したというエピソードを発表会で披瀝したのを何となく記憶しています。
しかしそれがある意味、禍を呼んだのかもしれません。口になじみやすい、ひらがな言葉が持つ運命か、当時たくさん立ち上がった庁内のシステムの中でも、「おもてなし運動」は最大の嫌われ者になりました。「おもてなし」は禁句であり、それゆえ、おもてなし推進委員なることをほとんどの職員は固辞する。何もわからない新任の職員をまるであて職のように任命し、委員会に送り込んだ部署もあったかもしれません。それでも、運動は途切れることなく、それこそ今も愚直に続いています。

 そんな中で、奇特なことに、おもてなし推進委員に買って出た人もわずかにいました。それは本当に稀有な存在で、上述の環境の中にあっては、「変人」と呼ばれことも必至でした。
本書の筆者である酒井直人氏は運動の黎明期からずっとこの運動に携わっていて、それゆえ筋金入りの「変人」として、庁内に深く認知されることになったのです。
とはいえ、石の上にも12年。今回、一流の出版社が全国に向けて発売する本書に、その名を刻み、知名度に拍車をかけたわけですから、酒井氏の戦術とそのたゆまない努力には本当に頭が下がる思いです。

 運動の効用は明々白々で、何よりも職員の区民への対応力は格段に良くなりました。先日、某自治体にいち市民として問合せをしたところ、非常に不快な経験をしましたが、たぶん相手が中野区職員だったら、こんなことにはならなかったと即座に思ったものです。

 「おもてなし運動」をさらに浸透させるにはどうすればいいのか、カイゼンのレベルに引き上げるにはどうするのか、課題はまだまだあります。現在、職員の人材育成を職務とする中、本書を精読し、他の自治体の取組みからもヒントを得ていきたいと思いました。

2015.05.24

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿027】 神戸市行政経営課 中道 眞さん

元吉さんの新著、「地方が元気になる 自治体経営を変える改善運動」ですが、まず表紙が良いですね。思わず手に取ってみたくなります。
もしかしたら、心地よい表紙から興味を持って読んでみようと思う職員もいるかもと思って、職場のデスクに、人の目につくように常に表紙を上にして置いています。(笑)

「公務員」という立場は、きちんとできて当たり前。もしひとたび何か問題が起こればマスコミ、議会、市民からバッシングの嵐。だから、コンプライアンスの徹底が求められ、その行動様式は、目の前にあることを言われたとおりにきっちりとこなすことになりがちです。
特に、当市の場合は、阪神淡路大震災以降の復興の取り組みの中でそれらの風当たりがより強かったということと、財政健全化するための取り組みを20年間続けてきた中で基本的に削減・縮小といった方向で行動せざるを得なかったことから、結果として個々の職員が、自律的に考え、行動するということができにくくなっているように感じます。

でも、個々の職員は、私を含めて、本来は地域のために貢献したいという「熱い想い」を秘めているはずです。
その潜在的に持っている想いを、カイゼン運動を通じて顕在化させることができれば、働く私たち職員自身にとっても、限られた人的資源の中で市民サービスを向上させるために効率的に業務を行うことが求められる組織にとっても、そして何よりもサービスを受ける市民にとっても、HAPPYなことだと思います。

この本は、読んだらカイゼンの取り組みに取り掛かりたくなるのではないでしょうか。
カイゼンという高度に知的な楽しみを、じわじわと浸透させるための仕掛けをどうすればよいか、紹介していただいた先行する他都市の事例を参考に考えたいと思います。それぞれの事例は、当事者の筆によるだけに臨場感と説得力がありました。すべてが順風ではなく、今も試行錯誤の中で取り組んでいるということに、リアリティを感じました。

他都市での取り組みを大手を振ってパクりあう(笑)。むしろどうぞ参考にしてくださいという姿勢で共有しあうことができる。これは、「公務員」であることの強みだと思います。
その強みをいかして、当市においても、試行錯誤しながら神戸らしいスタイルを作り上げていく必要があると考えています。
いつの日か、カイゼンサミットや、全国改善改革実践事例発表会に、当市からも自信をもって参加できるように、まずは種まきをしていきたいな、と思っています。

素晴らしい本を、素晴らしいタイミングで届けていただき、ありがとうございました。
この本が、自治体の幹部を含めた多くの職員の手に渡り、改善運動が、爆発的に浸透するきっかけになることを祈っております。

2015.05.22

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿026】 川崎市総務局人材育成課 湯澤 康治さん

  • 今まで、改善、改革、革新という言葉をごちゃまぜに使っていました。各々の意味がはっきりしたことによって、進めるためのポイント等が分かった気がします。
  • 複数の自治体の取組、経過等が赤裸々に記載されており、自らの自治体の取組と似ているところもあれば、そうでないところもあり今後の検討において真似すべき点、気をつける点等参考になりました。特に横浜市や福岡市は発表会や改善運動推進の方法等が首長の影響等を受けて、流れが変わった部分の記載がしっかりしてあり、通り一遍の他都市照会では聞けない貴重な内容になっているようと思いました。
  • 首長、管理職、係長の役割、そうした部分の記載もあるのも非常に実践的に感じました。個人的な感想ではありますが、これ以上の量的削減が困難になりつつある自治体の行政運営において、とても“使える本”“改善運動に迷ったら読み返すべき”本なのではと思いました。
  • もっともっと色んな感想があるのですが、まだ2回程度しか読んでません。10回くらい読んだら、もう少しまとまった感想が書けると思いますので、その際はまた連絡させていただきます。

※ 上記は、FBにメッセージをお寄せいただいたものをご本人の了承を得て掲載させていただきました。

2015.05.01

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿025】 合同会社経営合宿研究所 森田 元さん

少子高齢化が進む中にあって、地方行政の効率化とそれを支える地方自治体の 活性化は益々重要になっている。しかし、「お役所を変える」のはそう簡単ではない。

 長く公共性の高い事業を行う企業で働いてきた私は、公共サービスに携わっているという高邁な使命感が、市民感覚から遊離する遠因になっていたり、また国の方針通りやっていれば最後は国が面倒みてくれるだろうという親方日の丸的潜在意識が改革を困難にしていることを感じてきた。

 本書は、そういう難しい構造のなかで、どのように改善に取り組んでいけばよいのかを、実際に取り組んでいる事例紹介を交えつつ、たいへん実践的なノウハウが得られるように解説している良書である。

 本書を読んで、改革と改善の違いについても、改めて考えさせられた。
大胆な改革というのは、ハード的な施策が中心になるが、ハード的改革は、メンテナンスをしっかりやって行かないと本当の意味で定着しない。
そう考えてみると、改革を定着させるには、改善がしっかりやれる組織風土になっていることは、ある意味必須要件であるとも言える。

 本書は、国政、地方行政のみならず、公共性の強い事業に携わっている方々にもお勧めしたい「使える本」である。

合同会社経営合宿研究所 代表社員 森田 元
http://www.diamond.co.jp/book/9784478007297.html

NPO法人 自治体改善マネジメント研究会

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