NPO法人 自治体改善マネジメント研究会

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すべてのお知らせ

新着順による自治体改善マネジメント研究会のすべてのお知らせ

2016.02.17

自治体改善リレートーク(酒田市)

みなさま、はじめまして。
山形県酒田市で業務改善運動の事務局をしております佐藤と申します。
自治体改善リレートークということでお声がけをいただきましたので、当市の取組みを紹介させていただきます。

【オフサイトからオンサイトへ、一部から全体へ】
酒田市の業務改善運動は、有志職員の自主的な活動としてスタート。
平成21年に結成された自主勉強会「mimna・do・酒田」(みんなどさがだ:通称「どえむ」の会)」の自主的な活動として、平成22年~25年に渡り、計4回の業務改善発表会が開催されてきました。
その取組みが認知されたこともあり、平成26年度からはオンサイトで(業務として)、業務改善運動を位置づけ、市役所組織全体として取り組むこととなりました。
酒田市役所は、来月4日の仕事初めから市役所新庁舎に移転することとなっていますが、当時市長であった故本間正巳氏の「新しい革袋(新庁舎)には、新しいワイン(職員)を」という理念のもと、「建物だけではなく、職員も変わっていくんだ」という思いで、今年度も業務改善運動に取り組んでいます。
合言葉は「徹底的に褒める」。平成27年1月30日、オンサイトで初となる改善事例発表会を開催しました。

【平成26年度 第1回酒田市業務改善事例発表会 ~未来への船出~】
記念すべき第1回であること、湊町である酒田らしさ、そして、職員が一丸となって酒田市の未来を切り開いていこう!切り開いていける市役所になろう!という想いを込め、「みんなできりひらけ!みらいへの船出」をテーマとしました。
開催日当日は、150名以上の職員が参加し、楽しく和やかな雰囲気の中で発表が行われました。遊び心がある中にも、素晴らしい取組み事例を目の当たりにし、参加者の誰もが何らかの「気づき」を得ることができたのではないかと思います。
※詳細はぜひ別添PDFをご覧ください。
事前投票含め、もっとも票を集めたチームは、3月に新潟県三条市で開催された全国大会にも参加しました。

【平成27年度 第2回酒田市業務改善事例発表会】
そして迎えた平成27年度。昨年に引き続き、年度当初から各部局で自主的にカイゼン運動に取り組んでもらっていることにはなっているのですが…事務局担当個人の感想として申し上げますと、初年度の盛り上がりは維持できていないように思います。「去年の発表会素晴らしかったねー」という感じで、ちょっと一息ついてしまったのかもしれません。(それを打破するのが事務局の仕事だろと言われるとそのとおりですが…)
本年11月頃、業務改善運動の取り組み状況の把握およびカイゼン運動への機運醸成のため、各課にヒアリングを行いました。多くの課等においては積極的に改善に取り組んでいただいているのですが、残念ながら消極的な課も少なからずありました。その原因は下記の3パターンに大別されます。
①ささいな改善事例だから公表するまでもない(改善運動のハードルを自ら高くしてしまっている)。
②改善に取り組むのは良いけれど、発表会は恥ずかしいから出たくない
(引っ込み思案。特に我が市はその傾向が強い。目立ちたくない)。
③(ごく一部ですが)「改善」なんてやって当たり前だー。うちの課はお前らが言い出す前からやってるんだー。改善運動の前に事務的なミスを減らすのが先だー(「徹底的に褒める」コンセプトをご理解いただけていない)。
そこで、今年度の第2回事例発表会は、上記のような誤解を解き、「徹底的にほめる≒批判しない」ことを再度全員が共有し、そして職員だれもが気軽に、恥ずかしがらずに改善に取り組んで欲しいという想いを込め、

「じょっさね、やしょめね、しょすがんね ~じょっさねごどでも、やしょめねで、しょすがんねで、まずはやてみよの~」

をコンセプトとして開催する予定です。
※標準語訳「簡単な(じょっさね)ことかもしれないけれど、批判しないで(やしょめねで)、恥ずかしがらずに(しょすがんねで)まずはやってみましょう。」ちなみに、最初の「じょっさね」は、「じょっさね」ぐする⇒「簡単にする」≒「改善する」という意味合いも含んでいます。

1月29日(金)の発表会に向け、現在急ピッチで作業を進めております。昨年度のように、発表会に参加した職員がなんらかの気づきを、また発表者が「発表してよかった、これからもがんばろう」と達成感を得られるような、そんな発表会になるようカイゼンサポーター一丸となって取り組んでいきたいと考えています。
以上、長くなってしまいましたが、酒田市の業務改善運動の取組紹介でした。

2016.02.17

自治体改善リレートーク(三重県)

はじめまして、三重県の東口です。
業務改善関係の部署に所属しているわけではありませんが、昨年度、これから紹介させていただく、MIE職員力アワード発表会の実行委員会に参加させていただいた関係で、後田さんよりご依頼がありましたので、中部地区のトップバッターとして、三重県の取組を紹介させていただきます。

MIE職員力アワードは、県職員が県民の皆さんに幸福を実感してもらえる県を目指して、日々実践している改善・改革の取組や高い成果を出した取組を表彰・発表するもので、毎年2月に発表会を開催しています。平成23年度まで実施していました率先実行大賞を見直し、平成24年度にリニューアルいたしました。その後も毎年度改善を加えてバージョンアップしています。
今年度のMIE職員力アワードでは、取組募集を2つの分野で行っています(現在募集中です)。一つは職員グループ自ら応募する「改善活動分野」。もう一つは、他の職員・職員グループを推薦する「グッドパフォーマンス分野」です。改善活動分野には、協創推進部門、職員力向上部門、ワーク・ライフ・マネジメント部門、成果向上部門、自由テーマ部門があります。グッドパフォーマンス分野には、ピカイチ部門、モハン部門、コツコツ部門があり、部門を設けていることで、応募・推薦事例の中から他の職場が必要とする類似の事例を探しやすくなっています。
審査は、新規採用職員(実行委員会メンバー除く)、部局内の改善・改革の推進を担当する職員、職員の中から公募する職員などが担当し、「部門賞」や「奨励賞」を選定します。部門賞に選定された職員グループは、MIE職員力アワード発表会において発表を行い、知事・副知事の審査によりグランプリを選定いたします。発表の前には部局長より応援メッセージを頂くなど管理職の方々も積極的にMIE職員力アワードに関わっています。
発表会の最後には、表彰式を行い、部門賞を受賞された職員グループには賞状と副賞を、グランプリ、職員セレクト賞(事前に職員投票により選定)及び来場者セレクト賞(職員以外の発表会来場者の投票により選定)を受賞された職員グループには記念楯を知事から授与し表彰します。なお、改善活動分野においてグランプリを受賞したグループは、全国都市改善改革実践事例発表会において本県の代表取組として発表することになります。お楽しみに!

次に、MIE職員力アワードの運営についてです。三重県では、MIE職員力アワードを、新規採用職員の創造性やチームワークを養う人材育成の機会、県庁内の改善活動を理解し、日々改善していく意識を身に付けるための機会と考えており、新規採用職員は実行委員会か審査員のどちらかでMIE職員力アワードへの参画が義務づけられています。
MIE職員力アワードの事務局は、行財政改革推進課にありますが、発表会の実行委員会は、新規採用職員によって構成されており、基本的には新規採用職員のみで企画・運営を行っています(事務局には適宜相談や助言を頂いたりしています)。このようにMIE職員力アワードは人材育成の場としても効果が期待されており、実行委員会を経験した若い職員が年々増えていくことになります。
私自身は、この実行委員会を経験してとてもよかったと感じています。普段は別々の部署で仕事をしている同期が集まって、企画・運営を行うことによって、同期と交流を図ることができ、他の部署の仕事内容や職場の改善事例等の情報交換を行うこともできました。また、今の自分の担当業務ではあまり縁のない広報活動(ポップ、ロゴ作成等)に関わることができたことも勉強になったと思います。
今年は、この経験を活かして、勤務する尾鷲庁舎の若手職員が集まって所属横断的な改善活動に取り組むWG「紀北はまち座」に参加し、階段広告の設置、市町職員や地元高校生との交流会を開催するなど、楽しく活動しています。
こんなふうに、それぞれの思いで若い職員が改善・改革に取り組み、未来につながっていくといいなあと思っていますが、そんな三重県の取組に皆様どうぞご期待ください!
長くなりましたが、三重県の取組紹介はここまでにしたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

2016.02.17

自治体改善リレートーク(新潟市)

みなさまこんにちは。
新潟市で昨年度まで改善業務を担当していました斎藤と申します。
僭越ながら今回の自治体改善リレートークの大役をおおせつかりましたので、私からは新潟市の改善の取り組み「やろてばにいがた」について説明させていただきます。

◆平成の大合併により改善が始まる

 平成17年、各チームが提案・実践した改善活動を、パワーポイント等により発表し、市長がその場で審査・表彰するという、これまで新潟市役所にはなかったスタイルでの取り組みがスタートしました。この年、新潟市は近隣13市町村と合併を果たし、市役所組織も急激に拡大していました。この大きくなった組織において改善活動を共有するとともに、すみずみまで風通しを良くしたいという期待を背負い、新潟市の改善活動が始まったのです。

◆提案・実践の2つのサイクルと改善発表会

新潟市では、「改善提案」と「改善実践」の2つのサイクルを車の両輪のようにし、毎年9月に行う発表会「やろてばにいがた」をその集大成の場と位置付け、改善活動を推進しています。
【新潟市「改善提案」の特徴】
・事務改善や新規事業等の提案(自らの担当業務以外が原則)
・審査等の際、提案者所属及び氏名は非公表
・副市長等で審議し最終的な採否決定は市長が行う

【新潟市「改善実践」の特徴】
・改善事例を報告し共有
・各部長が部内のナンバーワン事例を推薦
・副市長等で審議し、特に優れた事例は発表会へ選出するとともに水平展開事例として積極的に水平展開を実施

【やろてばにいがたの特徴】
・毎年9月上旬に実施(日本一早い時期に行う発表会と自負しています)
・市長、副市長以下、幹部職員がほぼ全員参加
・提案、実践部門からそれぞれ発表

◆全国都市改善改革実践事例発表会・カイゼンサミットとの出会い

その後平成23年、やろてばにいがたに一つの転機が訪れることとなりました。
3月に岩手県北上市で開催された第5回全国都市改善改革実践事例発表会と第1回カイゼンサミットとの出会いです。
この大イベントに参加し多くの方と意見交換を行う中で、私は新潟市の改善活動に2つの点が不足していると痛切に感じました。 1つは活動に関する若手職員の認知度が低いこと、もう1つは市役所外部の視点が欠けていることであり、先進的な取り組みを行っている自治体ではこの2つの点が重要な役割を果たしていると感じました。

◆他都市をお手本に改善活動をカイゼン
上記のことから、上記2点を新潟市における改善活動をよりグレードアップさせていくための最重要課題と捉え、他の都市等をお手本に以下のような改善活動のカイゼンに取り組みました。

【若手職員への認知度向上】
・各部改善事例への内部イントラネット投票制度(やろてば総選挙)実施
・若手実行委員(チームやろてば)の公募
・改善活動広報紙(やろてば通信)の発行
・新規採用職員へ改善研修の実施

【外部の視点の導入】
・全国都市改善改革実践事例発表会への代表チーム出場
・外部アドバイザーの講評を実施(発表会内)
・民間企業や他都市による特別発表を実施(発表会内)
・発表会のインターネット中継実施
・各部改善事例への外部インターネット投票制度実施

◆カイゼンサミット開催地に

そして平成27年3月、現在の新潟市における改善活動のきっかけとヒントをいただくことができたカイゼンサミットの第5回開催地が新潟市と決まり、さらに改善発表会でのアドバイザーを務めていただいている平松庸一新潟大学大学院准教授、地元企業の株式会社博進堂と共に開催市発表として、多くの皆様の前で発表させていただく機会を頂きました。

◆これからの新潟市に乞うご期待!

全国大会に4回出場し、カイゼンサミットの開催&発表で全国の改善を志す皆様からも新潟市の改善をご認知いただいてきているところと思っておりますが、今年度、担当が私よりも一回り(!)も若いフレッシュな職員に交代しました。そして先月、地元アイドルNegiccoや新潟市出身でラスボスこと小林幸子さんによる「にいがた自慢ソング」をモチーフに、改善JIMANとしてよりパワーアップした発表会を開催し、次回の全国都市改善改革実践事例発表会へ自信をもって送り出すことができる、新潟市代表チームを決定したところです。
記念すべき第10回大会での新潟市代表チームによる発表、そしてこれからの新潟市の改善活動に、皆様どうぞご期待ください!

2016.02.17

自治体改善リレートーク(福岡市)

みなさん,おはようございます。
福岡市の業務改善を担当しています,人材育成課の立石と申します。
ちょっと遅くなってしまいましたが、熊本市の木村さんからバトンを受けましたので,福岡市の取組についてご紹介します。

福岡市では,平成25年度に策定した行財政改革プランの中で「業務改善イノベーション」を推進項目に掲げ,市民サービスの向上や職員の意欲の向上を図るため,業務改善運動を実施していますが,これまでもその時々の状況に応じて必要な見直しを行いながら,業務改善を推進してきました。

まずご紹介するのは,全国大会開催のきっかけと言われている「DNA運動(平成12~18年度)」です。市役所における経営改革の出発点として位置づけられた業務改善運動で,
D:“できる”からはじめよう
N:納得できる仕事をしよう
A:遊び心を忘れずに
を基本精神としており,優れた取組を発掘,共有し,褒め称えることを目的に発表会「DNAどんたく」を開催していました。

そのDNA運動終了後(平成19~24年度)は,自主的な改善改革の推進として,職員表彰「改善改革部門」の設置や庁内報による情報共有など,仕組みの見直しが行われました。

その後,いろいろな動きの中で再び見直しが行われ,庁内発表会の開催や業務改善運動の実施へとつながっていきました。
その中で,平成26年3月には,第8回の全国大会「カイゼンDONTAKU inふくおか」を開催し,全国各地の自治体をはじめ,遠くはバングラデシュからも初参加いただき,改善事例の共有やネットワークの広がりはもちろん,大会運営にかかわった若手職員を中心とするサポーターにとっても,大変貴重な経験となりました。

ちょっと前置きが長くなりましたが,現在の状況はというと,年度当初に各局へ業務改善運動の推進を呼びかけるとともに,各職場の改善事例を紹介するカイゼン新聞を定期的に発行しています。
また,今年度からは,業務改善に取り組む際のヒントとなるよう,新たに改善ポイントマニュアルの配布や業務改善研修を行っており,今後は全ての職員が直接参加し,事例を共有できるよう職員投票を実施する予定で,これまでの取組と新たなチャレンジを織り交ぜながら進めているところです。
3月に開催される全国大会へは,この職員投票で選ばれた改善事例で参戦したいと思いますので,お楽しみに!

最後に,3年近く担当した個人の感想として,これまでもいろいろと形を変えながら業務改善を進めており、続けていくことや浸透させることの難しさを感じる一方,少しでもよい組織や市民サービスに向けてカイゼンする,そのために新しいことにもどんどんチャレンジするとの方向性は変わっていないのではないかと考えています。
これまでの先輩職員の取組により,自治体業務改善の発祥と言われますが,その流れを引き継ぎつつ,他都市のよいところもTTPしながら,業務改善を次のステージへつなげていきますので,今後ともよろしくお願いします(^^)

2016.02.17

自治体改善リレートーク(熊本市)

はじめまして。熊本市役所の木村です。
宮崎県の矢野さんよりバトンを受けとりましたので、今回は熊本市の業務改善の取組について紹介します。

熊本市では、職員提案制度「わくわくチャレンジ」を設けており、これまで多くの改善提案が生まれています。「わくわくチャレンジ」という名称は、みんなが“わくわく”するような提案がどんどん湧いてきて、その実現や広がりに向けて積極的にチャレンジしていこうという想いから名付けられました。そして、平成26年度からは改善提案を幅広く全職員に向けて周知し、より業務改善の必要性と意識向上を広めていくために、改善事例発表会「KAIZENチャレンジ」を開催しています。「KAIZENチャレンジ」の事務局は熊本市総務局行政経営課にありますが、実際の運営は、庁内から集まった有志の職員の「チームK」(気軽に ここから 改善 くまもと)が携わっていて、昨年度の第一回KAIZENチャレンジは“ファーストペンギンになろう”をキャッチフレーズに、約240名が参加する大盛況の発表会となりました。そして、今年度1月中旬に開催予定の第二回は“挑めKAIZEN つなげペンギンリレー”をキャッチフレーズに、現在準備を進めているところです。

さて、なぜペンギンなのか?ペンギンには、大海原へ出ていく際に、最初のペンギンが飛び込むと皆が続くという習性があります。最初のペンギンは、海に入ってすぐに食べられてしまうなどリスクが存在するのですが、誰かが飛び込まないと皆エサを食べられません。このような、危険を顧みず勇気を持って飛び込む勇敢なペンギンを“ファーストペンギン”と呼ぶことから、熊本市も職員一人一人が改善に向けて勇気を出して一歩を踏み出そうという想いから“ファーストペンギンになろう”というキャッチフレーズが生まれました。

第二回となる今回は、私も含め入庁3年目のメンバーが運営幹事をつとめ、第一回に出来なかったことや改善にチャレンジしています。私自身、市直営の清掃工場に勤務する技術系職員なので、本庁舎との地理的な不便さもあり、定例打ち合わせや進捗管理など大変なこともありますが、メンバーのチームワークで順調に進んでいます。
是非とも熊本市の「KAIZENチャレンジ」も注目して下さい!

長くなりましたので、熊本市の紹介は終わりとし、次のバトンを福岡市につなげます。
福岡市の立石匡志さん、よろしくお願いします!

2016.02.17

自治体改善リレートーク(山形市)

いつもお世話になっております。山形市の後藤です。
私からは山形市における改善活動の状況をお知らせします。

平成17年度から20年度までの4年間、当市にて開催していました「はながさ☆ぐらんぷり」
有志職員による実行委員会形式で企画運営を行ない、毎年、大きな盛り上がりとなっておりました。
そうした活動の一環として、平成18年度に第一回となる全国都市改善改革実践事例発表会「ALL JAPAN やまがた☆10(スタート)」が当市にて開催されたというわけです。
その当時はまさか10回も続くとは思いませんでした^^;

平成21年度以降は、残念ながら改善発表会は行なわれず、職員提案を中心に改善活動に取り組んできました。
そのため、全国大会出場事例の選考も書面審査にて行っておりました。
なお、全国大会出場に見合った事例がないとの理由で、平成22年度及び23年度の2年間は出場すらできない状況でした。

こうした状況を改善するため、平成25年度に職員個人をベースとした取組みである職員提案と組織ベースの取組みである各課による改善活動という2本立ての内容に改善活動を再整理し、再び各所属による改善活動にも力を入れることにしました。

このような取組みを進めてきて3年目となる今年度は、すべての課より事例を集約し、部ごとに上位3事例を選考したのち、これらの事例を対象に全職員を対象とした職員投票を実施しました。そして、最終選考は職員投票上位6事例による改善発表会を行革本部会議にて行い、久しぶりにプレゼン審査により全国大会出場事例を選ぶことができました。また、職員提案も昨年度より7事例多い14事例の応募があり、その内容も不採用がないハイレベルなものでした。

こういった結果に9月に新たに就任した市長からは「素晴らしい改善活動だった。これからも推進していきたい。」との言葉をいただきました。

とはいえ、「はながさ☆ぐらんぷり」を開催していた頃に比べると、改善、プレゼン双方の質とも、まだまだの状況です。
来年度以降、更なる進化を遂げられるよう、カイゼンサポーター(有志職員)と共に顔晴っていこうと決意を新たにしているところです。

<自治体改善リレートーク:山形市>
いつもお世話になっております。山形市の後藤です。
私からは山形市における改善活動の状況をお知らせします。

平成17年度から20年度までの4年間、当市にて開催していました「はながさ☆ぐらんぷり」
有志職員による実行委員会形式で企画運営を行ない、毎年、大きな盛り上がりとなっておりました。
そうした活動の一環として、平成18年度に第一回となる全国都市改善改革実践事例発表会「ALL JAPAN やまがた☆10(スタート)」が当市にて開催されたというわけです。
その当時はまさか10回も続くとは思いませんでした^^;

平成21年度以降は、残念ながら改善発表会は行なわれず、職員提案を中心に改善活動に取り組んできました。
そのため、全国大会出場事例の選考も書面審査にて行っておりました。
なお、全国大会出場に見合った事例がないとの理由で、平成22年度及び23年度の2年間は出場すらできない状況でした。

こうした状況を改善するため、平成25年度に職員個人をベースとした取組みである職員提案と組織ベースの取組みである各課による改善活動という2本立ての内容に改善活動を再整理し、再び各所属による改善活動にも力を入れることにしました。

このような取組みを進めてきて3年目となる今年度は、すべての課より事例を集約し、部ごとに上位3事例を選考したのち、これらの事例を対象に全職員を対象とした職員投票を実施しました。そして、最終選考は職員投票上位6事例による改善発表会を行革本部会議にて行い、久しぶりにプレゼン審査により全国大会出場事例を選ぶことができました。また、職員提案も昨年度より7事例多い14事例の応募があり、その内容も不採用がないハイレベルなものでした。

こういった結果に9月に新たに就任した市長からは「素晴らしい改善活動だった。これからも推進していきたい。」との言葉をいただきました。

とはいえ、「はながさ☆ぐらんぷり」を開催していた頃に比べると、改善、プレゼン双方の質とも、まだまだの状況です。
来年度以降、更なる進化を遂げられるよう、カイゼンサポーター(有志職員)と共に顔晴っていこうと決意を新たにしているところです。

2016.02.17

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿035】 静岡県富士市監査委員事務局主幹 吉野貴雄さん

「自治体経営を変える改善運動」に寄せて

「なぜ、業務改善運動が求められるの?」
もし、あなたが、このような質問をされたら、どのように答えますか?

業務改善運動の担当者であれば、一般の人よりはその知識もありますし、実際に経験もされているので、簡単に答えることができるかもしれません。

でも、その回答が、みんな同じ答えであるかというと、それは違うのではないかと思います。業務改善運動の目的や、始めるに至った経緯などが、それぞれの自治体で異なるはずだからです。

現在、業務改善運動に取り組んでいる自治体の影には、業務改善運動をやめてしまった自治体が数多くあります。私の所属するまちも、取り組む形式を変えましたが、その中の一つになります。

やめてしまうには、それぞれの自治体に理由があると思うのですが、元気に業務改善運動に取り組む自治体の姿を見ると、どこかさみしさを感じます。

そのような中、再び業務改善運動に取り組む自治体が見られるようになったのは、とても喜ばしいことです。
各々の都市で業務改善運動の目的が違うように、復活の処方箋は自治体独自で異なり、一つではないのかもしれませんね。

この本は、業務改善運動に現在、取り組んでいる方々、これから取り組もうとしている方々、そして復活させたいと思っている方々には、課題や進め方などが、とてもよく整理されている良書であると思います。
また、自治体職員が実際に執筆されていて、より身近な視点で業務改善運動の意義が描かれているのが、とても良いです。

この本を通して、今まで気づかなかった何か大事なものに、気づけるといいですね。

静岡県富士市監査委員事務局 主幹 吉野 貴雄

2015.11.15

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿034】 金井壽宏さん(神戸大学大学院経営学研究科教授・現代経営学研究所(RIAM)所長)

マネジメントという言葉は、「管理」とか「経営管理」と訳されることが多い。後者だと、組織体全体の理念や戦略という方向づけにかかわる経営と連動したマネジメントを連想できなくもないが、「管理」という言葉だけを聞くと、ネガティブな響きもある。管理と聞いて、わくわくするひとはいない(経営とか、よき戦略とか、ビ
ジョンとかを、経営者やリーダーから聞くと、わくわくすることがあるのと対照的だ)。

 マネジメントの標準的定義は、「<こと>を成し遂げてもらうこと(getting things done through others)」という無味乾燥なもので、この言葉から夢を感じることはむつかしい。みなに成し遂げもらう<こと>が、ビジョンだったり、戦略だったり、リーダーの熱き想いというように表現されれば、ぐっとリーダーシップに近づくが、管理のイメージは、粛々ときちんとものごとが成し遂げられるという側に傾斜している。

「リーダーシップ」と「マネジメント」の対比は、学問的にも実践的にも、二分法によくある誤解に満ち溢れているが、実際に実践しているひとが、この両者をどう感じて、どのように実践し、どのような状態をそれぞれに対して理想としているか、議論するのがよいだろう。多少ギスギスしても、破天荒であっても、変革を起こすリ
ーダーシップ、粛々ときちんとものごとが進捗されているマネジメント—どちらも大事で、一方を<いいもん>、他方を<わるもん>にする筋合いのものではない。

その機微を、実際の経験や観察に基づいて理解してもらうために、これまでに出会ったひとのなかからで、「すごいリーダー」に該当すると思うひとと、「できるマネジャー」に当てはまると思うひとを、ひとりずつ実際に接したことのある人物から選んでもらう。
それから、それぞれの人物がフォロワーたちと接している場面を、できる限り、具体的に描いてもらう。そこで出てきたキーワードを、もし議論の場にホワイトボードなり黒板なりがあれば、そこに、対比しながら記していくと、わたしたちが、日常の実践のなかで、どういう具体的な行動、発言、発想法にリーダーシップという言葉を
連想しているか、対照的な姿がある程度、具体的に把握できる。

行政学では、法律による行政という考え方を学ぶが、こちらは、きちんとしていないと困るという部分、どちらかというと行政組織の管理(マネジメント)の側面を照射する。しかし、変革が求められるのは、産業社会の企業のような組織ばかりではない。『地方を元気にする、自治体経営を変える改善運動』というこの書籍のタイトルにあるように、実際に自治体でそのような運動に従事されてきた異なる6自治体の職員の経験を、自治体改善マネジメント研究会代表の元吉さんがまとめられたこの著作では、行政組織に求められている変革とリーダーシップのあり方が述べられている。自治体に限らず、企業や他の組織体における組織変革や組織開発、経営改善について、その理解を深めたい実践家と研究者の双方にお読みいただきたい。
金井壽宏

2015.10.22

自治体改善リレートーク(所沢市)

皆さん、こんにちは。所沢市役所の林と申します。
現在は財政課に所属しておりますが、業務改善関係の仕事に長く携わっていたよしみで、本市の改善活動について紹介させていただきます。

所沢市が改善活動で目指しているのは、
「明るく楽しく元気よく」
というシンプルなものです。
風土改善とか、
市民目線の改革とか、
経費の最小化とか、
そういった内容の方が、もっともらしいですし、カッチョいいとも思うのですが、あまり生真面目にやるより、とにかく前向きに取り組むことを目標にしています。

このフレーズを聞いて、
「明るく、楽しく、そして激しく」
という全日本プロレスのモットーを思い出された方もおられるかも知れません。
馬場さんの路線を三沢さんが受け継いでいたころの。
所沢市の目標を掲げる際に、全日本プロレスのモットーを参考にしたのかどうか、そこらあたりはご想像にお任せします。
ちなみに、三沢対小橋の名勝負は、例えばこちら

三沢 vs 小橋 1999.6.11 三冠戦
youtube.com

さて、「明るく楽しく元気よく」は、放っておいてそうなるものではありません。
役所の仕事にはルーティンも多いですし、コツコツ積み上げていく仕事もたくさんあります。
苦情を受ける機会も少なくありませんし、業務量が増えているなかでは、余裕をもって仕事をすることが難しくなっています。
財政的な制約もあり、市民の方々の要望に応えられないこともしばしばです。

そうしたなかで、改善カイゼンとかけ声だけかけても、
「いい気なものだ」
と思われてしまいかねません。
そこで、できる限り無理なく、やれるところからやっていけるような取組にするように努めました。
役所の仕事は、「各部署から一律に」となりがちですが、そうではなく最初は濃淡が出てしまっても仕方がないと割り切ったのです。
取組が楽しそうに盛り上がっていれば、参加してくれる部署も増えていくのではないかと願いました。
そんな思いで、活動内容もそれぞれに任せ、発表会への参加も自主的な手上げ方式としてきたのです。

改善活動の主役は、現場で働いている一人一人です。
行革部門に言われて取組み、活動の結果が行革部門の手柄になってしまうようでは、意欲は高まりません。
当たり前のことですが、行革部門の自己満足にならないように注意しました。

あまり語り過ぎると、
「明るく楽しく元気よく」
から離れてしまう気がしますので、この辺で失礼いたします。
引き継ぎのご指名は、中野区の酒井さんにお願いします。

2015.10.20

自治体改善リレートーク(川崎市)

みなさん。こんばんは川崎市の阿部です。
中野区の酒井さんより指名がありましたので、投稿させていただきます。
川崎市では、チャレンジ☆かわさき選手権(通称:チャレ☆かわ)という業務改善発表会を平成21年度から行っています。
只今、来年2月1日(予定)の7回目の開催に向けて絶賛準備中です。
この取組は元々、川崎市の職員提案制度を活性化するために始まりましたが、有志の若手・中堅職員(チャレンジ☆サポーター、通称:チャレ☆サポ)を中心に役所の既成概念に囚われず、自由な発想で企画・運営を行っており、私もこの有志職員の1人として第3~第6回までの企画・運営に携わらせていただきました。

チャレ☆かわで発表される業務改善事例は、各局・区長の推薦により事例を選定し、審査員と会場の票で当日に最優秀賞(市長賞)を決めて、その事例が全国大会で発表されます。この推薦のなかには、局内の政策提言発表会などを経て登録するチームもあります。
また、当日は特別企画として、局区長などの応援メッセージや庁内の研究成果報告とともに、他自治体の先進的な改善の取組を紹介していただいてきました。過去には、さいたま市の柳田さん、中野区の酒井さん、所沢市の林さんに御登壇いただき、来場した職員に笑いを提供してもらいながら、良い刺激を与えていただいております。

昨年度からは、発表会の企画・運営の他に、市長インタビュー、自分の身近な改善探し、近隣自治体や民間企業に訪問・交流(昨年度はさいたま市・㈱セブンイレブン-ジャパン・㈱オリエンタルランド)を通じて、その気づきをもとに広報紙の作成なども行っています。

完全手上げ制のため、年度によっては有志職員が数名という年もありましたが、OB・OGや同期職員などの協力を得ながら試行錯誤しながらチャレ☆かわをやり切った後のメンバーの顔立ちが出会った当初と変わっていることに毎年驚かされ嬉しい気持ちになります。
その唯一無二の経験が私にとって仕事に取り組む上での重要なインセンティブにもなっています。

4年間の改善活動を通じてでしか出会わなかったであろう庁内外の熱い人財との化学反応や未知の課題を身近に感じることができ、「自発的な改善体質は1日にして成らず」であると実感しています。
私が思う自治体の改善運動の魅力とは、普段からやりづらいな…と感じていることを自分発信で試行錯誤する経験を積み重ねた結果、「誰かの得となって、自分の徳として戻ってくる」ことに最大級の喜びを得ることであり、そこに中毒性があるのだと確信しています!

長くなりましたが、今後ともチャレ☆かわ共々、川崎市もよろしくお願いします。
また、自治体改善の輪も盛り上げつつ、全国大会でお会いしましょう!
それでは、所沢市さんよろしくお願いします。

2015.10.14

自治体改善リレートーク(さいたま市)

こんにちわ。さいたま市 桜区役所 区民課の野島です。
本市の業務改善の事務局ではありませんが、私の方から本市のカイゼンの取り組みについてご紹介します。

本市では、改善・改革が日常的に実践される組織風土の醸成を目指し、平成21年度から「一職員一改善提案制度」というのを導入し、全職員が一丸になって取組みをするようにしています。具体的な内容としましては、「月イチ改善」や一職員一改善を実施する「業務改善強化月間」にて実践した改善事例を報告するようにしています。
こうした日常業務の中で、職員が知恵と工夫で改善・研究した実践事例について、アイデアやプロセスを共有するとともに、職員のチャレンジする気持ちと改善意欲の向上を図るため、12月に「カイゼンさいたマッチ」という優秀改善事例の発表会を開催しています。

この「カイゼンさいたマッチ」の企画・運営は、「カイゼンサポーター」という庁内の様々な課から集まった若手職員が中心となって行っています。本市では過去に5回の「カイゼンさいたマッチ」、そして平成25年3月に行われた全国大会「カイゼンまっちin Saitama」にて、のべ113名の職員がサポーターとして活動をしてきました。ちなみに私もサポーターで活動した一人になります。
サポーターの主な活動内容は、ステージ運営全般(企画・進行)、プログラムのチラシや作成、Facebookでの周知、動画配信、会場内の企画・運営、発表者へのサポート、懇親会の企画などで、これらの中には実験的な取り組みも色々と行われてきました。また、そうした中で、サポーターから生まれた標語『We Will Kaizen!』は、当市で行われた全国大会の際に石原俊彦審査委員長から、カイゼンを動詞として使っている素晴らしい標語だと賛辞をいただき、いまでも本市での改善活動の標語になっています。
こうした担当業務の枠を超えた若手職員が、サポーターとして発表会や全国大会の企画・運営を行うことによって、以下のような成果が生まれました。
1 組織の壁を越えたネットワーク
2 アイデアを形にするプロセス共有
3 チームワークの強化(仲間とならできるという意識)
4 他自治体とのネットワーク形成
5 自治体や企業の勉強会等に参加
6 時間を有意義に活用し職務に活かす習慣
7 主体的に行動できる職員へ成長

これらの成果が示すとおり、サポーターを経験した職員は、カイゼンに関する取り組みだけでなく、日常の業務やそれ以外の活動にも活躍の幅が広がっています。結果としてサポーターの活動が、人材育成にもなり、最高のスキルアップのツールとなっているのです。

先週末(10/9)、「第6回カイゼンさいたマッチ」(12月22日開催)のサポーター会議がキックオフされ、20名のサポーターが集まりました。私も3年ぶりにサポーターとして参加することになったのですが、私以外の職員は初めての参加になります。事務局側もサポーターに参加する職員を集めるのに苦慮しており、その悩みは当市も同様のようです。
今回参加するサポーターは、初めてということで不安がいっぱいですが、業務以外の場でスキルアップできるチャンスを得たことになるので、最後にサポーターをやって良かった、各々が成長できたと思えるよう、皆で一緒に楽しく頑張っていきたいと思います。

「カイゼンさいたマッチ」で発表する優秀改善事例は、審査中のため、まだ決まっていませんが、昨年の「さくらサポートシステム(SSS)」に引き続き、今年もさいたま市から全国大会で衝撃(笑劇?)を与える改善事例が誕生するのでしょうか?全国大会でのさいたま市の発表をお楽しみください。

最後に過去にサポーターが運営したFacebookページをご案内します。
第3回大会、全国大会
https://www.facebook.com/#!/kaizen.saitama?fref=ts
第4回、第5回大会
https://www.facebook.com/#!/カイゼンさいたマッチ-472899759485381/

2015.10.10

自治体改善リレートーク(宮崎県)

こんにちは。宮崎県国富町の矢野です。大分市の中川さんからご指名ですので、宮崎県内の市町村が集まって行われている宮崎県市町村改善改革実践事例発表会についてご紹介します。

宮崎県では、平成24年度に市町村職員の自主研究というカタチで第1回宮崎県市町村改善改革実践事例発表会(みやざき犬大会)が開催され、最優秀賞の都城市と審査員特別賞の川南町(町です!)が、さいたま市の柳田さんはじめたくさんの方のご尽力により、さいたま大会に出場させていただきました。
その後、公益財団法人宮崎県市町村振興協会(
宮崎県市町村職員研修センター)が、この県大会を事業として採用していただくことになり、今年度で第4回大会を迎えます。もちろんすべて石原先生に審査委員長をお勤めいただいております!

全国を見回してみても、県内で予選を行って全国大会に出場している(私はこれを「甲子園方式」と勝手に名付けておりますが)自治体はありません!

人口2万人弱、職員数145名の国富町のような町村にとって、いきなり全国大会というのはやはり敷居が高く、道も開けないのですが、県大会があることでそれが可能になり、また、県内のネットワーク構築にも一役買っているのではないかと考えています。

これまで毎回、宮崎市長をはじめ首長さんたちに審査員としてお越しいただいており、かなりの高評価もいただいているのですが、まだまだ県内の自治体内に改善運動が浸透しているとは言い難い状況です。まずは県大会に聴講者としてご参加いただき、業務改善運動の素晴らしさを知っていただくとともに、やはり「全国」のすごさを肌で感じる機会を、もっとたくさんの方に持っていただきたいと思っています!

2015.10.09

自治体改善リレートーク(大分市)

みなさん、こんにちは!
大分市 企画部 企画課 行政改革推進室の
中川 淳です。

大分市では、福岡市の吉崎 謙作さんから九州のトップバッターとしてご指名を受けましたので、大分市でのカイゼン運動の取組を紹介させていただきます。

ご紹介をいただいた通り、大分市では「第6回全国都市改善改革実践事例発表会~百花繚乱カイゼン合戦~」を北上市からバトンを引き継ぎ、平成24年3月に開催し、早3年半が経過しました。

大分市での取組は、平成21年度からで、「た」(楽しく)・「く」(工夫して)・「み」(みんなでカイゼン)をキャッチフレーズに、職員一人ひとりが職場の課題を見つけ、自ら積極的に課題の解決に取り組み、“市役所職員の匠=プロ”になることを目指し、チャレンジし続ける「カイゼンの匠運動」を推進しています。

全国大会を機に、一気にカイゼン運動の機運が高まるかと思ってはいましたが、一気にではなく、徐々にではありますが、カイゼン提案件数も増え続け、昨年は162件の提案数でした。全国的にみると、一人一改善をしている都市もある中で少ない数値ではありますが、大分市の中では伸びてきていると感じているところです。(H23:80件、H24:122件、H25:141件)
H27についても各課一提案以上、各担当班一提案以上の取組を目指して取り組んでいるところです。

そして、毎年2月には、庁内発表会を市長、副市長、教育長などの特別職を審査員として開催しており、優秀事例を全国大会で発表しています。庁内発表会の際には、石原先生や元吉先生の基調講演も行うなど、全職員へのカイゼンイズムの浸透も図っています。全国大会では昨年は、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれませんが「おおいたトイレンナーレ」(http://toilennale.jp/)の取組を紹介させていただきました。

また、東北OMの取組をTTPしながら、九州OMでの活動にも参加し、カイゼン運動に取り組んでいるメンバーを中心として、全国大会時の実行委員長を務めていた佐藤真人や当時から話題のジョーズ工藤こと工藤真司、大分市のカイゼン運動の発起人の新井徹などと自主研の取組を今年度に入って始めているところです。

「敷居は低く、されど志は高く」をモットーに、「朝カフェ」「夜カフェ」と題し、カフェスタイルのゆるい形での交流会も実施しており、徐々にではありますが、参加人数も増えてきています。

今後もカイゼン運動の取組を強化、浸透させながら、若手人材の育成にも取り組んでいきたいと考えておりますので、全国の皆さんの取組をTTPしていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

次の九州グループのリレーは、宮崎県国富町の矢野弘倫さんにつなぎたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いします。

2015.10.09

自治体改善リレートーク(立川市)

みなさま、こんばんは。立川市行政管理部人事課人材育成推進係の津崎と申します。現担当になり、3年目となります。

当市では、昨年度(平成26年度)から「業務改善表彰制度(庁内では、カイゼン運動と呼ばれております)」が始まり、全庁的カイゼン運動を実施しております。
人材育成基本方針の「創意工夫を尊重する組織風土づくり」という方針に基づき、職員提案制度(H19-22)、組織活性化事業(H23-24)という全庁的カイゼン運動に取り組んできましたが、担当の異動や予算の廃止に伴い、平成25年度に見直しとなり、現行制度なっております。その際は、さいたま市さんを始め、多くの自治体の方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。

 本制度は、市民満足度に加え職員満足度の向上を目的とし、①改善事例の見える化、②改善事例の共有、③認め・褒める風土の醸成の3つを目標としています。
流れは、
全職場で改善アイデア提案シートを作成(6月)→取組方針決定(7月)→改善取組(7月〜10月末)→改善事例を報告(11月)→部内審査(11月)→職員投票・理事者書面審査(12月)→発表会・表彰(1月19日)となっております。

現行制度へ見直す際に意識した点は、「①所属長の無関心の解消」「②改善推進員(職場の取組のコーディネーター)だけではなく多くの職員が関わる」「③カイゼンに取り組むことが当たり前の組織風土をつくる(習慣化)」ことです。
①については、部単位で「業務改善推進部会」を設け、職場(課)単位のカイゼン事例を持ち寄り、部内で1次審査をする仕組みにしました。その後、全職員の職員投票(イントラネット)、理事者から構成される「業務改善推進委員会」を経て、トップ5が事例発表会を行います。その中から、最優秀事例が決定します。全国大会には出場しておりません。
②については、年度当初に、職場単位で全員がアイデアを出し、職場単位で取り組む内容を決定します。この際に、「改善アイデア提案シート(エクセル)」を使用するのですが、1行単位で気軽に提案できるように設計し、ミーティングを経て決定することで、全員の関わる担保を試みています。また、この改善アイデア提案シートも全庁共有します。
③については、カイゼンサポーター(実質、実行委員会)を設け、「なぜ、カイゼン運動が必要なのか」「どのように実施していけば良いか」を事務局と一緒に考えて実行していく形式をとっています。初年度は、公募とし11名が活動。カイゼンニュースの発行にとり啓発活動や発表会の企画・運営をしました。

昨年度は、スタートアップとしてはまずまず。小さな成功体験でした。まだまだ、制度理解が進んでいないため、粘り強くやり続けることが大切だと思っています。もちろん、制度自体の工夫をしながらです。
平成27年度は、3つの新たな取組に着手しました。

(1)カイゼンサマーセミナーの実施
先進的な民間企業や自治体の取組事例を講義形式で学び、ワールドカフェの手法を使って「カイゼン運動の必要性」について改善推進員、カイゼンサポーター、他団体の方、総勢80名で対話する場です。組織の中の関係を有機的にすることになり、結果的に、改善事例の共有につながると考えています。今年度は、中野区の酒井さんにご登壇いただきました。お世話になりました。

(2)カイゼンサポーターを3年目職員の人材育成プログラム化
公募職員に加え、3年目職員の必修プログラムとしました。今年度は、公募2名、3年目25名、計27名で実施しています。広報班、企画・発表班の2グループ制です。
公募形式のみでは、組織の継続性が担保できず、メンバーの硬直化を招く恐れがあったこと。さらに、「意識高い系がやること」という反対勢力を生む要因になり得ると考えたからです。また、昨年度のメンバーが活動を通して、モチベーション向上、個々人の能力の発掘・発揮・向上など、良い意味での意識・能力の変化が見られたこと大きいです。
一番の理由は、カイゼン運動を自分ごととして考えたことがある職員を排出し続けることで、カイゼンに取り組むことが当たり前の組織風土をつくることにつながると考えたからです。
最初は、いやいやでしたが、段々と活動が楽しくなってきたようで、職場訪問(改善の取組のサポートや、取組を聞いて褒めちぎる)、改善ツアー(民間企業や自治体訪問)を自分たちで企画・調整し実行するまでに至りました。大きなきっかけはカイゼンサマーセミナーだったと感じています。
(3)組織目標や業務基準書の整備
職場における羅針盤をきちんと整備することで、個々人の思い思いでカイゼンが乱立しないようにする。また、職場の「業務はどのようなものがあるか」「業務の目的は何か」「手順はどのようにするのか」などを記載した引継書ともなり得る、生きたマニュアルづくりの検討を始めました(検討ワーキンググループが活動)。

長くなりましたが、やればやるほど「カイゼン活動にゴールはない」と感じます。その時々に、ドラマがあり、人の成長があると思うとやりがいを感じることもできます。仲間をつくりながら、楽しんで邁進していきます。今後ともよろしくお願い致します。

立川市 津崎

2015.10.02

自治体改善リレートーク(中野区)

みなさん、こんにちは!
中野区 政策室 業務改善担当の中谷です。
3月開催の全国大会に向けて、中野区の「おもてなし運動」の取組状況をご紹介します。
当区では、顧客満足度の向上と組織の活性化を目的として、「おもてなし運動」を実施しています。全ての分野(課)や、保育園・児童館等の事業所ごとに業務改善の活動を「実践プラン」として定め、取り組んでいます。今年度は、11月~12月頃に各部ごとに中間発表会を開催し、部の代表を選出して、1月下旬に開催予定の「おもてなし運動発表会」に出場します。ここで大賞に選ばれた職場が全国大会への出場権を獲得できます。
今年度は、各職場での改善の取組を全庁的に共有し、更なる改善につなげていくため、事例集の作成を行ったほか、10月中に各職場の取組状況を「おもてなし運動推進員」が取材し、広報誌を作成して、全庁に周知します。また、運動の目的やコンセプト、行動目標などを改めて職員に周知するため、ガイドブックの改訂や動画の作成などに取り組んでいます。
全庁的に業務改善運動を推進していくためには、事務局が本気になって取り組むことが必要不可欠だと思います。今年度は、事務局所管の管理職(私!)も精力的に関与し、事務局職員も若手のエースを増員しています。推進員にも「おもてなし運動」のレジェンド・酒井さんに復帰してもらったほか、これまで「おもてなし運動」を支えてきたメンバーに公募枠で入ってもらいました。
全国大会で大賞を受賞できるような職場を輩出できるように、中野区職員一同、頑張っていきます!とは言ったものの、実践プランの一覧(中野区HPで公表中)を見ると、各職場の取組は、まだまだといったところです(涙)。そもそも運動の目的が全然正しく理解されていないのではないかと思われるような職場もあれば、毎年同じことを掲げているだけの職場も見受けられるのが実情です。事務局や推進員が本気になって、工夫して広報していくほか、改善運動を区政経営のPDCAサイクルや人事評価と有機的に連動した仕組みに変えていく必要があると考えています。中野区の「おもてなし運動」は、今年で13年目になります。運動そのものを改善して、次のステージへステップアップできるよう頑張っていきます!

2015.06.13

自治体経営を変える 改善運動

【読者投稿031】 美濃加茂市土木課長補佐兼総務係長 山口 登督さん

こうあったらいいな!という内容が満載です。
でも、「思い」だけでは意味を為しません。実行・行動につなげましょう!

 現状に違和感を持ち、企画、総務、人事などで行政経営に携わったことがある方なら「人」が全てと必ず気づくと思います。
ところが言葉遊びが得意な行政(要は破たん、倒産が事実上ないため、覚悟が足らない・・・自分を含め)にとって「行(財)政改革」という言葉は自分が行政に入る随分前から定期、不定期に計画が作られ、実行する「人」にスポットをあてることなく進められ、内容すら達成されたかの分析、検証もあいまいなまま、また新たな改革がスタートしています。

 「計画」をつくればそれで終わりといった風潮により、PDCAサイクルが十分に回ることがない行政において、言葉遊びが絶えないのも無理がありません。

 なら、どうするか!を気付かせてくれる一冊です。

 事務分掌として担当するだけの職員にとって法的縛りのない行革は、トップや上司の顔色を伺うだけで、総合計画や行革、そしてカイゼン運動の進捗管理をしてるだけで仕事をしてる気になっています。最終的視点が「自分」なんですね。

 一方で、熱意ある担当職員は、住民視点、納税者視点、企業視点など「社会的視点」の重要性と「行政の役割」を考え、最大の経営資源である“職員”にスポットを当て組織力を高める手立てを考えます。

 こんな職員がいる自治体は小さくても未来が見える幸せな自治体であるとともに、活動をフォローできるトップ、上司、仲間のいる組織風土の熟成が「民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障すること」(「地方自治法第1条目的」抜粋)を達成する組織としてスパイラルアップさせ、働く職員の「やる気」を引き出してワークライフを充実させてくれるのではないでしょうか。

 他自治体の担当者自らがペンを持って書かれた内容は評論家とは違う視点で書かれています。
組織風土改革を柱とする自分にとって本書は自分の思いの代弁とも言える内容です。

 地方創生を進める中、「自治体経営を変える改善運動」(自治体改善マネジメント研究会代表 スコラ・コンサルト株式会社 元吉由紀子 編著 「東洋経済」)が公私とも熱い全国の同志の拠り所となり、気付きを与えてくれる一冊であることをお伝えして感想とさせていただきます。

NPO法人 自治体改善マネジメント研究会

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